昭和45年新築の中古住宅の査定依頼があり早速現地に赴きました。築後55年程度経過しているにもかかわらず、外観は意外とキレイな状態でした。モルタルの外壁でしたが20年程前に一度塗装を行い、屋根も一部瓦の張替えを行ったということでした。

家を修理する人のイラスト

室内も大切に利用されていたようで、経年劣化による傷みは見られるものの個人差はあると思いますが、そのまま利用できそうな感じでしたが、水回り設備は新築当初から修理以外は行っておらずさすがにそのままの状態で利用するのは憚られるでしょう。

建物の価格査定は、基本的に木造住宅であれば法定耐用年数22年を経過していれば、机上査定であれば現在価値はゼロという判断になりますが、使用している建材の品質、あるいはリフォームを施していたり建物の維持管理状態に応じて加算いたします。

とは言え建物の価値は構造と経過年数が大きく影響いたしますので、いくら立派な建物で維持管理が良好であってもそれなりの査定価格となります。また装飾品、カーポート物置等の付属物や外構工事部分はほとんど評価の対象になりません。

土地の査定価格は建物が建っているいないにかかわらず、立地や広さ、道路との関係や周辺環境等から周辺相場を鑑みて評価いたします。ただし明らかに取壊しが必要な建物である場合は、売主側で解体しないということであれば解体費用相当額を差し引いた評価となります。

今回の査定物件については、売主側で解体するという条件での査定価格となりましたので、土地単体での評価となりました。その後解体工事の前にご案内した方が現地見学をしたところ、何と建物をリフォームして使いたいというお話になりました。

売主側に相談したところ、古い建物なので相当な修繕が必要なうえに後になってクレームがくることが不安ということもあり、できれば解体して売却したいというご意向でしたが、買主側が多少価格を上乗せするというお話になりそのまま売却する運びとなりました。

さらに売却後は建物に不具合があっても請求しないという契約内容にすることで最終的には合意に至りました。ほとんどのリフォームは買主が自分で行うそうで、こういった方からすればとてもお買い得な物件ということになります。

立地重視で探していたところ、建物の広さや間取りも希望に近かったということで、ほぼ土地の価格で購入することができ、とても満足されたご様子でした。なかなか思い切りの良い方だなと感心いたしましたが、リフォーム後の新居楽しみにしております。