弊社の事務所がある島立・島内地域は市街化調整区域に指定されている範囲が多く、時々購入や売却のご相談をいただきますが、なかなか良縁がございません。
そんなご相談の中で、調整区域内の土地にある事務所の購入と建替えができるかという相談がありました。
🏢そもそも建築が制限される調整区域
市街化調整区域というのは、市街化を抑制する地域ですので、原則、建物の建築はできません。
公共性の高い施設や日常生活に必要な小規模な店舗等であれば建築できる場合がありますが、一般住宅などは原則建築できません。人が集まるような施設は許可が下りないということになります。
平成22年の条例改正により、松本市では一定の区域内であれば市街化調整区域であっても、一般住宅や小規模な店舗であれば建築ができるようになりました。
島立、島内、笹賀、神林、今井・・・松本市にある市街化調整区域内にて一定の区域が指定されています。市街化区域に近接していて、もともと建築物が連たんして建っている区域が指定されているのです。
ただし、何でもかんでも建築できるわけではなく、いくつか条件があります。
- 住宅の場合は幅員4メートル以上、店舗・事務所は幅員6メートル以上の道路に接道すること
- 道路の新設及び下水道の本管を新設する開発行為は行えない
- 住宅の敷地面積は200平方メートル以上とすること
- 建築物の高さは10メートル以下とすること(概ね3階建くらいまで)
といったような諸条件を遵守したうえで建築行為を行わなければなりません。もちろん行政への申請や許可も必要になってきます。
🏢ご相談の事務所の建て替えはできないということに
ご相談の事務所がある場所は、上記の区域からぎりぎり外れていましたが、もともと宅地で過去に建築の許可を取っていましたので、建替えは可能ということでした。しかしながら過去に取得した許可が一般住宅での許可だったために、その変更は受けられないという結果になりました。
調整区域では一度許可した用途の変更は原則認められません。なんでもかんでもということにもなりかねませんので、そこは厳密に運用されています。
売買により購入することは可能ですが、建替えができないということで一旦保留して再検討するということになりました。引き続き隣接地での新築も含めてご相談に乗らせていただきます。