不動産を売却するにも購入するにも、成果報酬としての仲介手数料が発生します。不動産会社が受け取ることのできる報酬には、上限はありますが下限はございません。極端な話ゼロ円でも良いことになりますが、さすがにボランティアという訳にもいかないでしょう。
先日に無事お引渡しとなった不動産の売主様から、仲介手数料のお値引きのご相談がございました。法律で定められている報酬は上限だけですので、お値引きについてはそれぞれの会社の考え方によって自由です。ノルマやマニュアルのない小規模な地元の会社であればご相談に応じてくれる可能性は高いでしょう。
今回のお取引については、購入のお手伝いもさせていただいた不動産の短期間での売却で、前回は買主側として仲介をさせていただいたご縁もあったので、売主側としてのお仕事もご依頼いただけたという事情もございましたので、ご相談に応じてお値引きさせていただきました。
都心部のように物件価格が高額で取引数も多いような地域では、仲介手数料半額、あるいは無料を掲げている会社もありますが、地方都市では物件価格が安価なケースも多く、どこの会社もなかなかお値引き対応が難しいのが現状だとは思います。
無料を掲げている会社はボランティアということではなく、例えば売主側の手数料を無料とする場合は、自社で買主を見つけて取引するということが条件となります。敢えて言えば売主と買主双方との仲介取引でないと商売になりませんので、自社で早く取引を成立させたいがために、物件価格の値引きなど多少は強引な営業になる場面も想像できます。
勿論、無料にかかわらず一生懸命な会社や担当者もいるとは思いますが、取引を急ぐあまりに物件価格の大幅値引きに応じた結果、売主様が損をするということも考えられます。タダより高いものはないとは言いますが、そんな結末は避けたいものですね。
不動産売却にかかわる費用の中では、譲渡税と共に仲介手数料は大きなウエイトを占めます。状況に応じてはお値引きに対応してくれる会社もあるかもしれませんので、ご機嫌を損なわない程度に交渉してみてはいかがでしょうか。