先日に安曇野市の古民家の価格査定のご依頼があり出かけて参りました。最近はよくメディアでも移住者が古民家をDIYして楽しんでいるという放送を目にします。先日も有名な料理家が東京近郊の山里の築100年超えの古民家を購入して移住したような番組がありました。
今回ご依頼いただいた物件も築100年を超えていましたが、幸い災害に見舞われることもなくまだまだ活躍できるようなそんな印象でしたが、隙間風もあり小動物も住みついているような状態で、快適に住むにはそれなりのお金と労力はかかるだろうと思います。
ご相続を機会にご売却を希望とのことでしたが、建物とその敷地(宅地)については第三者への売却ということで検討できるのですが、敷地の多くの部分の地目が田や畑になっています。ご先祖様からは宅地になっていると言われていたそうですが、見た目も登記上も農地のままでした。
市街地(市街化区域)であれば、行政に届け出をするだけで宅地に変更できたりするのですが、その他の区域の農地となると原則は変更できません。農地法という厳しい法律によって農地が守られていますのでよほどの理由がない限りは行政の変更許可を得ることができないのです。
農業施設や公共施設などを建築するということであれば許可なく変更ができたりしますが、それ以外への変更は原則できません。変更できないということは建築目的で売却できないということになり、農地としてそのまま使う農家等への売却に限定されるということです。
依頼者さんは別の場所に引っ越すことが決まっていますので、何とかしたいというお気持ちは分かりますが、現実的には色々なハードルがあることをあらためてご理解いたただきました。とはいえ全く何もしないでいると荒地になり近隣にも迷惑が及ぶ恐れもあります。
農地の一部を変更して売却する方法の検討を含めた行政への相談、今年の4月に始まった相続土地国庫帰属法による国への譲渡なども視野に入れながらのご相談となりました。古民家として売却できる状態になればまたご協力させていただきたいと思います。