固定資産税を何年もの間、金額にして数百万円を滞納し続けた結果、松本市により不動産を差し押さえられて入札になった不動産を落札いたしました。裁判所が行う競売に対して、公売という制度ですが、不動産だけではなく車や時計、衣類等の様々な品物が出品されています。
インターネットよる申込みとなりますが、不動産の多くは入札形式となっていて、一定の期間内に保証金を支払って申込みをした入札者の中から最高価格者が落札いたします。落札しても代金を支払わなかったりした場合は保証金は没収されて次の順位者が落札します。
今回の入札物件の資料には、予め滞納した本人が居住しているという説明がありましたので、落札者は自らの責任と負担で退去をさせる必要があります。裁判所の競売の場合は強制執行という手続きを行えますが、公売の場合は行政が何かしら協力することはございません。
滞納した本人にも落札した旨の通知が行きますので、既に他人様の不動産となり退去しなればいけないという状況は把握しているものの、長らく住んでいた家を出るというのはかなりの抵抗がああることが想像できますが、不要な物は置きっぱなしで出ていくというケースも多くあります。
落札してから何度か現地に足を運び様子を見ましたが、洗濯物が干してあったり、車が止まっていることもありましたので、退去交渉の準備や近隣調査をしながら、交渉がうまく行かなかった場合には弁護士や司法書士に依頼して強制退去執行ということも検討いたします。
落札から約3週間で代金を振り込んで所有権が移転したところで、解体費用のお見積りも兼ねて業者さんと現地に行きました。玄関が閉まっていたので退去したのかなと思いきや、客間と思われる部屋の引き戸が開いていて中を見ると、前の所有者と思われる方が居座っていました。
どちら様ですかと言わんばかりの態度にそのままお返ししたくなる気持ちを抑えて、込み入った話になりそうなので解体業者さんには退座いただきました。お話したところすぐには出ていけない様子でしたので、多少は時間がかかるなと思いながらその日はご挨拶ということで退散です。
ご高齢ということもあり、体調を崩したり思い詰めて最悪のケースになる可能性もゼロではないので、不法占有の状態ではありますが、あまり無理強いせずにお話合いを進めて、無事にお引越しするまでのお手伝いをさせていただこうと思います。