先日、松本市内の古屋が建っている土地の売却を依頼されました。以前はご夫婦でお住まいでしたが、奥様が先立たれてからはご商売の事務所兼倉庫として利用してきた不動産を、長く続けられたご商売をご勇退するのを契機にご子息と相談して売却するご決断をされました。

ご商売をされていたこともあり多少なりとも借財がありましたので、その返済が完了する程度の金額で売れればよいということと、あまり時間をかけたくないというご要望もありましたので、近隣相場より多少金額を抑えた査定価格とさせていただきました。

50坪程度の広い住宅と倉庫が建っていて売主側で行う解体工事費用の検討が必要になるため、多少は売却までに時間がかかると思っていましたが、アスベスト調査も行ったうえで解体工事費用の目安も把握しておりましたので、おかげ様で1.5ヵ月ほどで購入者が決まりました。

売主側で解体工事業者に当てがないということもあり、弊社でお見積りを依頼した会社で解体工事を行うことになりました。その費用を上乗せした価格での売買契約を締結する運びとなりましたが、それでも買主側の予算には十分に収まるということでご納得の取引となりました。

また今回は売主側の協力のもと買主側の費用で境界の確定測量も行いたいということでしたので、売買契約後、解体工事に着手してその後に境界確定測量を行うということで、お引渡しまで1.5~2ヵ月を要することになりますが、売主の了解を得て進めることになりました。

近隣者と松本市の道路担当者立会のもと、境界の確認を行い境界位置についての異論は出ませんでしたが、隣地建物の屋根の一部が敷地内に侵入していることが発覚いたしました。これについては将来的に解消する旨の覚書を交わして双方合意という形を取りました。

後は決済お引渡しに向けての準備という中で、売主から権利証が見つからないとの連絡があり、司法書士に権利証に代わる手続きを依頼することになりました。司法書士が本人であることを証明する書類を作成して法務局に申請する手続きですが、数万円の費用がかかります。

また登記簿上の住所が現住所と異なっていたため、戸籍の附票で過去の住所を追いましたが、売却不動産での住所履歴を確認することができず、権利証があれば住所変更登記も可能でしたが、司法書士による上申書にて手続きとなりました。権利証がないと数万円の出費が伴いますので大切に保管しておきましょう。