借入などの返済ができなくなり、金融機関等の債権者が裁判所に申し立てて、強制的に売却となる競売に対して、競売になる前に金融機関等と相談して同意を得て、任意で不動産を売却する方法を任意売却と言いますが、競売に比べて売却価格が高くなる可能性はありますが、売却までには相当の時間を要します。

現在利用されている住宅ローンの多くは保証会社による後ろ盾があります。融資を行う金融機関も保証会社が付いていれば、返済困難となった際には代わりに弁済してくれますので、安心してローンを提供できますし、借りる側としても保証人等を立てる必要がないなどのメリットがあります。
ローンの返済がいよいよ難しくなれば、まずは借入している金融機関に出向いて相談します。そこで返済額を軽減するために期間延長したりという提案がある場合もございますが、いづれにしても返済が難しいとなると保証会社が代わりに弁済して、あとは競売や任意売却の検討に入ります。
今般のご相談者さんからも任意売却が希望ということで売却査定の依頼がありましたが、残ったローンを全額返済できる程度の価格査定には至りませんでした。時間をかけて市場で売却すれば全額返済できる可能性はあるものの、債権者としては3ヵ月程度で売却に至らなければ競売に移行するという考えです。
金融機関が保証会社から代わりに弁済を受けて、債券回収会社が決まるまでに数か月かかりますので、その間に個別に売却先を探すということになります。任意売却の物件は個人がローンを組んで購入すケースもございますが、やはり話の早い業者買取りのケースが多いように思います。
競売とは違い任売はあくまでも債務者本人の意思で売却するものですので、売却価格が多少ローンの残額に及ばなくとも、足りない分のお金を用意できれば、債権者に売却金額についてお伺いを立てることもなく担保を外すことができますので、任意売却が成立することになります。
任意売却であっても通常の売買と同じく、仲介手数料や抵当権抹消等の登記費用は必要ですので、そこら辺の諸費用も加味してローンの完済を検討する必要があります。今回の依頼者も諸費用程度の現金が用意できれば、何とか完済となりそうですので引き続き相談しながら進めさせていただきます。