法務局に備えられている登記簿謄本。
甲区と乙区に区分されていて、甲区は所有者に関する事項が、乙区には所有権以外の権利に関する事項が記載されています。
例えば、住宅ローンを組んで不動産を購入した場合には、登記簿の乙区には金融機関の抵当権が記載されます。債務者(借りた人)〇〇、債権額(借入額)〇〇万円、債権者(貸した人)〇〇銀行・・といった記載がなされていて、返済が終わった時などは下線が引かれていて、抵当権が抹消されていることを意味しています。
時々、地役権という権利も設定されていますが、ほとんどは敷地をお互いに利用する場合などの通行に関する権利の設定です。電力会社の電線が上空を通っていて、メンテナンスの際などに立ち入りができるように設定されているケースも時々あります。
通行地役権は、お互い様の場合は無償であることが多いですが、一方的な場合は使用頻度にもよりますが、新たに設定をお願いするにはそれなりの通行料が発生するでしょう。近隣の実例や月極駐車場の料金等を参考にして話し合いをしたことがありましたね。
電力会社からは保証料という名目での提示があるかと思いますが、年間〇百円〇千円といった程度でしょう。
明治43年と言えば、今から110年以上も前の話。もちろん役所に確認しても、水道管埋設の事実は確認できませんし、実際あるのかないのかもわかりません。少し掘ってはみたものの確認できず・・・。
だったら権利を抹消しようと思い動きましたが、設定範囲が記載されているため当時の地役権図が必要で、権利者がいるかの公告もしなければならず、何年かかるかわからないという状況でした。
総合的に判断して、権利を残したまま売買することになりましたが、将来的に問題になるようなことはまず考えられないので、事実を説明して売却する運びとなりました。
既に存在しないと思われる配管なので、そのうち職権で抹消する日がくるのかわかりませんが、買主側は利用させている側なので、あまり心配はないことも説明して無事引渡しが終わった次第です。
何だか役所もどうにもできないような感じでしたが、もう少し柔軟に対応いただきたいものです。