数年前に、ある法人取引先様の社長から競売(民事執行法による入札)の代行依頼がありました。

社員の寮としても使用したいので、確実に落札(購入)できる金額で検討したいということで、最低入札価格の約2倍で入札することになりました。

不動産競売物件サイト
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🏢5件の入札の中で最高価格により落札

長野県の中野市にある2DK×16世帯+事務所1室という物件でしたが、個人での入札が1件と法人での入札が4件あったと記憶します。

入札価格の低い順番に読み上げられていくのですが、2番目に高い入札価格と400万円ほど差があり、まあまあ断トツでの落札となりました。

家賃の発生する収益物件ということで、年間の見込み家賃収入から収益性を検討して、補修や改修といった初期費用やランニングコストを想定して落札価格を検討します。

当然低い価格で落札することができればそれに越したことはありませんが、相手がいることなので、あまりにも低い価格だと落札することは不可能でしょう。

依頼のあった会社さんは一部の部屋を社員の社宅としても利用するということでしたので、収益性と併せて実用性も重視した落札価格の検討となりましたので、他の収益性重視で入札した参加者よりは高額での入札が可能となりました。

無事落札となりましたので、その後の入居者対応などのお手伝いもさせていただくことになりました。

🏢家賃を滞納している入居者への対応

競売になる物件というのは、何かしら事情があるものです。

落札したアパートについても1年以上は建物の管理がなされていなくて、ゴミもそこら中に散乱されている状態でした。

入居者についても集金がままならない部屋が3件ほどありました。まずは所有者が変わったことと新しい家賃の振込先の案内を書面にて通知します。

状況を理解してすぐにお支払いいただける方もいましたが、1件だけ住んでいるのかもわからないような状態の部屋がありました。玄関のポスト口から中を見た限り人の気配はありましたので、時間帯を分けて訪問しましたが呼びかけにも応じない状態でした。

そんな中、ある日の夕方に訪問した時に玄関の鍵が開いていましたので、思い切って中に入ることにしました。

相変わらず呼びかけに応じないので、そっと部屋に入ったところ、こたつから頭だけ出している状態の男性がいましたので、もしかして・・・恐る恐る声を掛けたところ、ただ眠っているだけでした。

いきなり人が来てもびっくりすることもなく、普通に会話ができたのが不思議な感じでしたが、状況を説明したところ、家賃が払えないので退去することになりました。

確信犯のような気もしましたが、2週間以内に退去いただくという条件で、新オーナーの了解もいただき事なきを得ました。

まるで生存確認にいったような結果となりましたが、無事に退去いただき新しい入居者も決まりほっとしたのを思い出します。

競売物件は何かと問題があるものです。入札の際には是非ともご相談ください。