分譲マンションを購入する際には、住宅ローン以外にも管理費や修繕積立金といった月々の費用が必要となります。また松本市内であれば、固定資産税と駐車場1台で毎月15000円程度の負担が発生します。

そうなるとなるべく管理費や修繕積立金は安いほうが良いと考えますが、あまり安くても将来的な不安が付いてくるかもしれません。

松本市内の大規模修繕中のマンション
🏢修繕積立金は安く抑えられている

管理費は管理会社に支払う費用ですので分譲後にすぐに発生する費用ですが、修繕積立金は新築当初は当然修繕など発生するはずもなく、時間が経って劣化してきた部分を補修するために積み立てる、いわば管理組合の貯金みたいなものです。

多くのマンション販売会社は販売スピードを上げるために、この修繕積立金を当初はかなり安く設定しています。購入する側も当初負担が抑えられるので悪いことではないですが、将来に向かっては増額される計画になっています。

どれくらいの金額が適切なのかは、マンションの規模や設備の有無によって差がありますが、適正な修繕計画が実行されるためには、一戸あたり2~2.5万円/月は必要という試算もあります。

平均的な積立額が1.2万/月ほどというデータもありますので、ほぼ倍額が不足しているという状況と言えます。

そうなると積立金が十分でない中で、いざ大規模な修繕が必要になった際には、各戸一律に修繕積立一時金として臨時徴収する場合もあります。場合によっては管理組合が借金をするということも考えられます。

🏢長期修繕計画を確認しましょう

令和4年4月から、マンション管理の適正度を評価する制度が発足します。

5つの評価項目があり、その中に組合運営のための財務基盤も項目としてあります。要は、適正な修繕計画が組まれているのか、それに対しての資金計画は適正かどうかを判定するものです。他の評価項目と併せて判定され、S~Dの5ランクで評価付けされるという制度です。

評価を受けるのは強制ではなく、管理組合の総会決議を経て申請されるものですが、マンションの資産価値の証明として評価を検討している管理組合も多く、その評価がそのまま市場価値や流通価値に直結しますので、良好な居住環境を維持するだけでなく、資産としての価値も維持する意識が高まる良い制度だと思います。

いくら専有部分を立派に仕立てても、マンションはやはり全体としての価値が大前提になりますので、こういった制度はマンションの維持管理の意識向上になることでしょう。

分譲マンションの購入を検討される際には、長期修繕計画の確認や今後は評価制度を利用しているかも検討材料になってくるでしょう。