不動産売買の取引は仲介会社として不動産会社が介在するケースがほとんどです。物件を掲載している不動産会社に問合せをすれば、その会社が売主側と買主側双方の仲介業務に入り、両方から仲介手数料をもらいます。俗に言う両手取引ですが、これを業者の都合で故意に行うと罰せられることもあります。

一方、買主側にも不動産会社が介在していて取引が成立すれば、売主側と買主側それぞれの仲介会社に手数料を支払いますが、これを俗に片手取引と言います。両手取引は違法ではないですが、本来は利害が相反する売主と買主双方の仲介業務を行うことは買主側にデメリットがあることもあります。

仲介会社にとっての売主は特定されていますので、特に価格については売主の意向を尊重する傾向にあります。値引き交渉が入れば次の買主を探せばよいということになります。当面値下げする様子がなくても、買主側が納得すればそれはそれで取引成立と相成ります。不動産購入はタイミングも大切な決断要素です。

多少のお値引きに拘った結果、みすみす機会を逃してその後なかなか希望に近い物件が出て来なくて露頭に迷うようなケースもたくさん見てきました。大きな買い物ですので、価格にかかわらず条件に拘りを持つことは大切なことですが、度が過ぎると後悔することもあります。

欧米では一般的に売主側と買主側それぞれに専門の仲介会社(エージェント)がついて、双方の利益を公平に守りながら取引を行います。また仲介手数料は売主側が物件代金の5~6%負担することが多く、売主側エージェントと買主側エージェントで分け合うのが主流となっています。

売主側は手数料の負担を考えると値引きは避けたい、買主側は費用の中でも高額となる手数料の負担がないため、多少は価格を譲歩できるという見方もできるので、取引を活発にしているという側面もあるでしょう。日本でも一部エージェント制を採用している企業体もありますがまだまだ浸透していません。

先日、関西方面から信州に移住を検討している方からご相談がありました。旅行で訪れた時の感動が忘れられず、ご夫婦とも信州に住みたいと考えるようになったそうです。お子さまも転校に前向きということで日々ネット検索して物件を探している様子でした。

弊社には物件を探すのはもちろん、買主側の仲介会社として協力して欲しいということでした。専門家としての不動産業務はもちろん、移住先人者として信州松本の魅力やまた大変なこともお伝えしながらお手伝いさせていただけましたらと思います。