通常、住宅用の土地と言えば、何もない更地になっているようなイメージですよね。市街地にある更地は法務局で登記簿を取得すれば、地目はだいたい宅地もしくは雑種地となっているでしょう。

しかし、見た目は畑で地目も畑になっていても住宅用地としての利用は可能です。

宅地続きの畑
宅地続きの畑
🥕 畑は固定資産税があまりかからない

農地には、市街化区域以外の一般農地と、市街化区域農地に分けれらていますが、いづれにしても宅地よりは評価が低くなっていて、その分固定資産税も安くなります。

そのため、無理やりとは言いませんが、家庭菜園程度の畑にしておくほうが、固定資産税の負担は少なくなります。地目もおそらくのままになっているでしょう。

ただし、相続税評価は全く別の計算方法で、かなり高くなるので注意が必要です。

また、市街化区域に限って言えば、畑から宅地に地目を変更して住宅を建築することは可能です。市役所にある農業委員会に届け出をすれば、1~2週間で受理されて、あとは法務局に行って地目の変更申請をすれば完了です。さらに、他人に売却する場合にも届け出が必要です。

市街化調整区域の一般農地の場合は、県の許可が必要となりますが、よほどの理由がない限りは宅地等への変更は認められません。

長野県も松本市も、基本的には農地を守るというスタンスですので、住宅の建築は難しいでしょう。

🥒今後は畑がどんどん少なくなっていくのでしょうか。

市街地にある畑は、すでに宅地並みの税金が賦課されているケースもありますし、畑の面倒を見る人がいなくなれば、宅地として売却するということが予測されます。

東京などの都心部では、生産緑地という農地保全地域があって、市街地にありながらも農地並みの税制優遇がある場所があります。その優遇も制度が始まって30年が経つ、2022年には打ち切られるため、住宅用地などに姿を変えていく土地も今後は増えていくのでしょう。

純粋な農家も後継ぎ問題が深刻で、廃業する農家も増えて、荒れた農地や荒廃地がどんどん増えることが考えられます。若い世代の農業への関心が高まっているということも言われていますので、引き続き行政が中心となって、農地を気軽に使えるようにして、絶やさないでいてほしいものです。

信州の美味しい野菜はもはやブランドですので、大切に守っていきましょう。