都心部あたりの不動産会社で時々、仲介手数料が無料を謳っている会社があります。
慈善事業ではないので、どこかで収入源がなければあり得ないことです。
賃貸物件であれば貸主、売買物件であれば売主から手数料または広告費という名目で報酬がある場合には、借りる人や買う人から手数料をいただかないということはあり得ます。
いわゆる片手仲介と言われるもので、貸主と借主、売主と買主の双方から手数料をいただく両手仲介に対して、どちらかからだけ手数料をいただくというケースです。
両方からいただける場合で、敢えて借主あるいは買主からはいただかないということで、無料と謳っているのですね。
両方からいただけるということは、貸主や売主から確実にいただける物件に限られるということも言えます。例えば仲介会社1社のみに販売を委託している物件などが該当するでしょう。
その1社がたまたまお客様を見つけられれば、両方から手数料をいただける状態にはなりますが、大半は他の仲介会社等がお客様を紹介しますので、それぞれに仲介手数料が発生します。
仲介会社は不動産を購入しようとしているお客様に対して、専門家としての様々なアドバイスをします。
購入前後の手続き、物件の状態はもちろんのこと、各種費用や住宅ローンや税金といった周辺情報の提供等もいたします。各専門家とも協力して様々なご不安を払拭していくというのも大切な業務のひとつです。
確かに数千万円に対しての手数料なので、そこそこの額にはなりますが、それに見合うお手伝いをしようという意識を持っている仲介会社であれば、決して無駄にはならないと思います。
また、価格交渉という場面になった際にも、買主から手数料をいただけないとなると、果たしてしっかり交渉してくれるでしょうか?もちろん交渉はするとは思いますが、とりあえず聞いてみる程度になってしまうこともあり得ます。
しっかり報酬をいただくのであれば、交渉に対しての真剣味も違ってくるのではないでしょうか?交渉の結果、手数料が無料よりも負担が少なくなったなんて可能性もあります。
手数料無料が悪いとはもちろん言いませんが、金銭的な問題だけで判断するのではなく、手数料が発生するなら、目いっぱいにその会社を利用して、納得のいく取引きになればよいと思います。
私も無料という言葉には弱いですが、ただより高い・・・という言葉もあります。あまり無料にこだわならいようにしたいものですね。