宅地開発等の大規模分譲をする際には、調整池を設けることが法律で義務付けられています。

宅地開発によって、もともと田畑だったところの大部分がアスファルト舗装されるなどにより水の浸透が妨げられるため、一時的に雨水を貯留しておく施設です。

松本市惣社の区画整理地内にある、松本市が管理する調整池
松本市惣社の区画整理地内にある、松本市が管理する調整池
☔ 大雨による災害を未然に防ぐための施設

大雨による災害が今後ますます増えてくるような、そんな暑さが続きます。

そんな大雨時に少しでも被害を抑えられるように、一時的に雨水を貯留して、雨が収まってくると少しづつ下流へ排出することで、河川の氾濫を防ぐための施設が調整池です。

主に都市部新規分譲地などでよく見かけます。これだけ開発がすすみ土の部分がなくなると、雨水の逃げ場がなくなってきますので、人工的に水の流入を抑えるための施設です。

近年増えてきた局地的豪雨では下水道の処理能力を超えてしまうことも考えられますので、未然に防ぐためのこういった施設は、いわゆる住宅地にとってはたいへん重要な施設なのです。

また調整池に面した住宅地であれば、調整池に建物が建つことはないので、日照が確保しやすいといったメリットもあるのです。

惣社地区の調整池は大雨の翌日ではありましたが、特に水が溜まっていることもなく、住民の生活を見守っているような、そんな佇まいではありました。

なるべく活躍しないほうが良いのですが、重要施設として今後も松本市の管理の下維持されていくでしょう。

🏡 調整池が近くにある住宅を購入する際の注意点

ある程度の規模の調整池であれば自治体が管理しているケースがほとんどですが、小規模なものであれば、例えば宅地分譲した会社がそのまま所有管理しているようなケースも稀にあります。

いづれにしても、管理状況はしっかりチェックすることが大切です。

自治体に管理が移管されていない場合は特に、草が生い茂っていたり、ゴミが散乱していたりと衛生上の問題が生じていたり、小さい子供が容易に入れてしまって危険な状態であったりすることがあります。

普段は水がないために、調整池を開放して、公園や運動場、地域の催し会場等に利用されているケースもあったりしますが、もともと雨水を貯める場所ということは忘れずにいましょう。

自治体が管理している場合はそれほど心配はないですが、民間の管理から移管されていないような施設がある場合には十分に注意したいところですね。

最近の分譲地ではあまり見かけることはないですが、古くて小規模な分譲地の場合にはその管理状況をチェックするようにしましょう。

暑い日が続き、集中豪雨が心配される日々が続きますので、避難場所等の再確認もしておきたいですね。