以前に建売住宅の企画販売を担当していた頃のお話です。朝の7時頃だったと記憶しています、眠っていたところに携帯電話が鳴りました。片言の日本語で「堀川さん?家の中で雨降ってるよ」・・・??

外は晴れ、よくわからないまま現地に行くことにしました。

天井に敷き詰められた断熱材
天井に敷き詰められた断熱材
💧正体は2階の収納天井の結露でした

中国ご出身のご夫婦とお子様2人のご家族でした。念願のマイホーム購入のお手伝いをさせていただいて間もなくの出来事でした。

収納していた寝具が水で濡れていたので上を見上げると、水滴がポタポタと落ちてきていたのです。

駆けつけた時は、状況がよくわからなかったこともあり、びっくりしたような様子で、あまりお怒りではございませんでした。

すぐに天井裏に入り点検したところ、予想通り天井裏の断熱材がめくれ上がって隙間が出来ていました。

長野市北部の寒い地域で、朝の気温はマイナスです。そこに石油ファンヒーターを焚いていたため、冷たくなった天井に水滴が発生したのです。

暖房器具によっては多少の結露は発生すると説明はしていましたが、まさかの施工不良でした。平にお詫びしてその日のうちに補修工事を完了させました。

申し訳ないので、寝具は弁償すると言いましたが、他の施工状況も点検したいただければよいということでお許しいただきました。その後はご連絡がなかったのでひと安心でしたね。

💧施工不良だと断熱材は役に立たない

いくら分厚い断熱材を採用しても、雑な施工で隙間があればその部分が冷えてしまうので、何の意味もありません。

特に天井裏部分に関しては、敷き詰めるだけで固定する必要まではないので、ちょっとした油断で隙間を作ってしまうこともあります。

それまでは天井裏まで建物の完成検査をしていませんでしたので、結露が発生するまでは気が付きませんでした。その後は検査はもちろん施工方法についても、より隙間が出ないように見直しをしました。

断熱材の施工はとても慎重さが重要です。社内試験制度を設けている会社もあるほどです。いくら高い材料でも、丁寧に施工しないと機能が発揮されなくなります。

最近ではウレタンを主成分とした断熱材を専用の道具で吹きつける工法も採用されていますが、価格や施工性から、今も主流はグラスウールやロックウールといった断熱材を敷き詰める工法です。

現場責任者は断熱材施工のタイミングには必ず点検に行くと言います。それほど慎重な工事なのですね。

「ウッドハウス信州」シリーズの建売については、私も点検に参りたいと思います。