2009年頃から始まった、太陽光発電により発電した電力の買取制度。

当時は1Kwあたり48円という高単価でのスタートとなりましたが、今では19円まで下がっています。

早めに設置された方はそれなりに恩恵を受けてきたと思いますが、買取期間も終わり設備が不具合を起こしたり、故障したりするケースも徐々に増えてきています。

太陽光パネルの屋根と空
🌅太陽光発電の普及はかなり進んだ

何百万円という設置費用を将来に渡り回収して尚、おつりがくるという触れ込みで、買取制度により太陽光発電はかなり普及したと思います。

私も建売分譲住宅の企画販売を手掛けた当時が、ちょうど売電制度が始まった時期と重なったので、いくつかの物件に太陽光発電設備を搭載して販売しましたが、当時はまだ将来的な売電のことよりも搭載することによる価格増がネックとなり、中にはパネルを外して価格を下げて欲しいという方までいました。

その後は徐々に浸透していき、アフターでお邪魔したとあるお客様の中にはもっと容量が大きいものを希望される方も出るようになってきました。

当時はまだ設備そのものの価格が高額でしたので、仕入れた土地の価格や建物の原価によっては、販売価格を重視して、太陽光発電設備を搭載しない物件もありました。

購入されたお客様には別途、太陽光発電設備の搭載提案をさせていただきましたが、価格が250~300万円と高額になるため後付けで設置した方はほぼいませんでしたね。

売電の買取単価が高かったとは言え、目の前の現実のほうを重視されたのでしょう。

🌅売電期間が終わりその後はどうなるのでしょう

家庭用で使用されている太陽光発電の買取が順次終了しています。

その後は蓄電池を設置したり、新たに電力会社と契約したりというお話を聞きます。買取単価は10円前後とかなり下がっていますが、設備が稼働しているのであれば、まだまだ高価な蓄電池を設置するよりは、売電したほうがよいと考える方も多いでしょう。

さらに今後、交換や処分という問題も出てきます。パネルはリサイクルしたり、農業用の土に混ぜると生育が促されるという効果も出ていて、今後は再利用の波が加速すると思われます。

パネルの一部や変換機などは産業廃棄物扱いとなり、処分に多額の費用を要することが予測されるので、不法投棄や闇輸出などの犯罪につながることも懸念されています。

それでも自然エネルギ―に対する取り組みは今後も続くと思いますので、リサイクルと再利用の仕組みが成熟していくことでしょう。

これから設置を検討されている方は、投資目的というよりは、全量自家発電による蓄電池を設置したオール電化住宅の検討がより増えてくるのではないでしょうか。

省エネ住宅により持続可能な開発目標(SDGs)に長期的に取り組む意識がスタンダードになりそうですね。