土地の売買取引において、確実に確認しておきたい状況のひとつとして、地中の埋設物の問題があります。

売主様からのヒアリングや古い地図を見れば、以前の利用方法が確認できますので、凡そは見当がつくものですが、実際は掘ってみないと分からないものです。

コンクリート片の写真

昔から農地であった土地であれば建物があったわけでもないので、地面を掘ったら何か出てくるというような可能性は低いでしょう。ただ、明らかに荒廃した農地で、使わなくなった道具や私物が放置されているような土地は怪しいものです。

そんな時は売主側にしっかりとヒアリングをして、物件状況告知書という書類にも記録して、仮に何か出てきたら片付けていただくなどの条件を付けて契約されることをおすすめします。以前にブログで紹介した「契約不適合責任」という民法改正により、買う側が安心して購入できるように法整備もされていますので、売主様にも理解していただきましょう。

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以前に、新築建売住宅を販売していた時のことです。お引渡ししたお客様から、敷地内の一角から、建築の際に出たものと思われる釘や材料が出てきたとのご連絡がありました。あまりにも不自然だったので、当時の業者さんに確認したところ、正直に、持ち帰らずに埋めたとのご報告が・・・。平にお詫びしてすぐに片づけて整地したのも束の間、そこら中から釘や金具が出てきました。

ただかなり傷んだ物もあり、果たして建築の際に出てきたものかどうかも判断がつきませんでしたので、一通りお客様立ち会いの下周辺を掘り起こしましたが、他には出ないことを確認した上で、さらに範囲を広げて調査するのも互いに心労になるということで、掘削工事費相当のお詫びをさせていただくことでご理解いただいた次第です。

土地の売買においては、買主が一般個人の場合で埋設物が出た場合には、原則は売主側で処分するというのが基本です。それでも悪意のない売主様がほとんどですので、例えば撤去費用相当分をお値引きするなどの方法で和解するというのもひとつの解決策でしょう。お互いに気持ちよく取引ができるようにするのも不動産会社の役目とも言えますね。