不動産を売ろうと決めたら、売主はまずはどこかしらの不動産会社と媒介契約を結んで、不動産の売却を依頼することになります。媒介契約の中でも依頼先との縛りが強くなる、専任媒介契約を結ぶことも少なくありません。
専任媒介契約は基本的には、依頼した不動産会社以外での販売は認められずに、自分で買主を見つけた場合にも、その旨を報告してその会社の仲介にて契約をする運びとなります。不動産会社側からすれば、担当者の裁量で売却までのプロセスをコントロールすることができます。
媒介契約の中にも、積極的に販売活動をするということが明記されていますので、買い手が少しでも早く見つかるようにと、担当者も熱心に販売活動をするとは思いますが、結果的になかなか買い手が見つからないということもあります。
なかなかお話が来ないので、媒介の依頼先に契約の解除を申し出たところ、有効期間内なので違約金が発生する上に、さらにこれまでの販売活動の広告費などもいただくことになります、と言われたというご相談があったことがありましたが、確かに契約はそのような内容になっています。
仕方なく有効期間が終わるのを待って解除することになりましたが、あっさりと受け入れられたとのことで、物件によっては時間のかかるものもございますが、果たしてどのような販売活動をしていたのかは不明です。
専任媒介契約の、積極的に販売するという本来の効果よりも、不動産会社にだけ都合の良い状態になっていたような感じは否めませんが、売主側に立って販売活動を続けていればこのような結果にはならなかったかなと感じた次第でした。