松本市はアルプス連峰や美ヶ原高原の自然や水資源に恵まれたとても魅力的な街です。住みたい街や魅力度ランキングなどでも常に上位に選ばれていて、移住検討者の候補地としても常に人気がある街です。人口調査においても毎年転入者が転出者を上回っている状況です。
そんな松本市ですが、都市化を推進していくいわゆる都市計画区域は全体の30%ほどです。その区域内でも積極的に市街化を推進しようという市街化区域はたった13%ほどで、一方市街化を抑制しようという市街化調整区域は87%と都市計画区域のほとんどの部分を占めています。
田園風景が広がる気持ちの良い場所の土地を住宅用地として検討したいと思っても、調整区域のため住宅が建築できない、あるいは特定の用途の建物しか建築できないということもしばしばです。調整区域内では公共性の高い用途や農林業等で必要な施設など以外は、原則建物は建築できないことになっています。
ただし、既に住宅が建っている土地であったり、既に集落が形成されている行政が定めた一定の区域については、小規模な店舗や一般集宅が建築できるように条例等で緩和措置が定められています。松本市では島立、島内、笹賀や神林などで区域が指定されています。
原則建築が出来ない調整区域ですが、建築が可能であっても様々な手続きが必要となります。大前提として行政の許可が必要です。以前より宅地として利用されている土地であれば、一般住宅を建築するための建築許可だけ取得すれば建築が可能となります。
建築が可能な区域指定内でも宅地であれば同様に建築許可を取得すれば足りますが、もともと農地だった場合等はとても煩雑な手続きが必要になります。まずは宅地に転用できる農地であるのかから始まって、転用するということは開発行為と見なされますので特別な許可が必要になります。
また、行政の調査や審査があってかなりの時間を要します。検討を始めてから半年以上かかることもあります。逆に言えば費用と時間と労力をかけてやっとの思いで住宅用地として生まれ変わるとても貴重な土地という見方もできるのではないでしょうか。
許可を経て住宅用地となれば、以降は都度建築の許可は必要となりますが、増築や建替えも可能となり、また資産として売却の検討もできるようになります。市街化調整区域であっても不動産会社と相談しながら住宅建築を検討されてみてはいかがでしょうか。