ローンや税金の支払いが滞ると、金融機関や行政から督促が参ります。滞納する方が悪いのですが、何とも冷酷な案内が届きます。その後一定期間が経過すると不動産が差し押さえられて、裁判所の許可による競売にかけられたり、金融機関の合意を得て不動産を売却する任意売却という手続きに入ります。
今回は松本市内にある一般住宅の任意売却のための価格査定の依頼をいただきました。一般売却でも任意売却でも基本的には査定価格に変わりはないのですが、売却方法が異なりますので、一般売却よりは多少低く査定するケースが多いように思います。
一般売却であれば市場での売却となりますので、相場や市場の動向を見ながら出来る限り売主の希望に沿いながら現実的な査定価格を算出するのが一般的です。高すぎると時間ばかり経過して、結果的にお値引きに応じたりと、余計な手間暇がかかっただけという結末も考えられます。
一方任意売却の場合は、債権者の合意が必要ですので、ほとんど一般市場に出ることなく内々で、今回で言えば親族が買い取るという方法を取りますので、状況に応じた調整を行いながら査定価格を算出することになります。
とは言え、あまりにも低い金額だと債権者の合意が得られず、得られたとしても適正価格との差額は贈与とみなされて多額の贈与税が発生することもあります。債権者としては高い金額のほうが回収額も多くなりますが、購入側の資金の準備が難しくなります。特に親族間での売買だとローンを組むのがとても難しくなります。
任意売却は、金融機関等の債権者や弁護士等の財産管理人が査定価格が適正と判断して初めて成立します。各所と連携を取りながら適正な査定価格の算出に努めたいと思います。