中古住宅の売却は、一般個人の方の多くは現況そのままで売りに出します。現況有姿売買と言いますが昔からこの風潮は変わりません。経年劣化による損傷はわざわざお金をかけて補修せずに、その分価格を安くしたりお値引きにより対応するのが一般的です。
不動産会社等が中古住宅を買い取ってリフォームして再販するいわゆる中古再生住宅の場合は、そのほとんどが瑕疵担保責任保険に加入しています。2~5年間の雨漏りやシロアリ被害の補償が受けられることや住宅ローン控除が13年間適用されるなどのメリットがあります。
ただ一般個人が売主の場合には、労力や費用がかかることから瑕疵保険の加入まで検討することはあまりございません。そこで費用に関する部分については補助金が用意されています。対象は居住用の建物で令和5年4月1日以降に瑕疵保険に加入する物件となります。
インスペクション(調査)費用と保険加入料のそれぞれ1/2最大10万円が補助されます。一般的な住宅であれば、調査料と保険料を合わせて10万円程度ですので約5万円が補助されることになります。建物が大きくなればその分それぞれの費用が高くなっていきます。
一般個人の中古住宅を仲介する業者も、重要事項説明において建物状況調査を行っているかの説明義務があります。ただし調査を実施したか否かの説明のみで、調査を行っていなければその説明をするに留まります。
住宅診断を実施すると、売主にとって不利な状況が発覚することを懸念して及び腰になるのも分かりますが、調査結果を承知の上で購入いただけるほうが後々も安心ではないでしょうか。補修が必要な部分があれば価格で調整するなどして双方が納得した縁談になればよいでしょう。
補助金の申請受付期間は令和6年3月15日までとなっています。これから自宅等の売却を検討している方、または買主側からも申請できますので中古住宅の購入を検討している方は、補助金の利用を検討されてみてはいかがでしょうか。