相続した実家を売却する際に、古くなった建物をどうするのかという問題に直面します。遠方にいる親族間で管理するのは大変だというような理由でただちに解体すれば、翌年の固定資産税が約6倍に跳ね上がります。ただし1月1日を迎える前に売却できれば次の所有者が負担することにはなります。

しかしながら解体工事費用も高騰していて、急な出費で何百万となれば当然躊躇します。相続人の間で売却するということで意見が一致していれば良いですが、費用負担の問題等もあってなかなか決断できないでいれば時間ばかりが経過していよいよ管理が不可能という状態にもなり得ます。
当面は売却せずに親族が集まる場としてそのままにしておくという方もいましたが、想像していたよりも利用頻度が少なく、結局は売却するということになりました。ただし3年以上経過していたため空き家の売却による譲渡税の特例を受けることができなかったため多額の税金を納める始末になりました。
相続した実家に相続人の一人が同居していて引き続き居住する予定だったのですが、何も考えずに実家の近所の他の相続人が相続した結果、同居親族なら受けられた相続税の特例を受けられずに後悔したということもありました。相続財産の評価が一定面積まで80%減額されるのはとても大きいです。
売却するには建物を解体して更地にした方が売りやすいですが、高額の先行投資費用が必要です。ただし土地を売るために建物を解体した費用や、建物の残存価値があればその残存額は譲渡費用と見なされて、売却価格から控除されるため、その分売却益が少なくなり譲渡税が軽減されます。
急な出費が難しいという場合は、建物はそのまま残して売却の検討を行いますが、まだ使えそうな建物であれば中古住宅で一般市場で売却できる可能性もありますが、多くの場合は築後数十年経過しているため多額のリフォーム費用を考えると、解体して新築するという選択になる可能性が高くなります。
一般個人の方の多くは建物がある土地の購入はハードルが高く敬遠する傾向にありますので、買取り実績のある不動産会社等の業者への売却も検討する方も多いでしょう。多少は売却金額は低くなりますが、売却するための解体工事や境界確定などの費用や手間が大幅に軽減されるというメリットがあります。
先日に弊社にも相続した実家の管理が行き届かずに売却をしたいというご相談がありました。敷地が1000㎡以上あって敷地内には母屋や納屋、倉庫や池もあって一般個人への売却は難しいと当初から考えていたそうです。納得のいくご提案ができるよう引き続き宜しくお願いいたします。




