お客様は神様です、とは歌手の三波春夫が言ったフレーズで有名ですが、真意は神前で祈るときのように雑念を払って澄み切った心で完璧な歌を唄いたいということのようです。決してお客様は絶対的優位な存在であるという意味は含んでいないようです。

筆文字「ご縁に感謝」
🙏中古住宅の売買でのご縁が破断に

実家が飲食店というご縁もあって、いくつか飲食店でのアルバイトの経験がございますが、神様フレーズを発して怒号する輩も確かにいましたね。こちら側のミスということもあり、ひたすら謝り倒してお代をいただかなかったり、警察のお世話になったりとまあ色々あったものです。

食あたりをしたからと言って治療代を請求されたこともありましたね。一緒に病院に行きますと言ったら、面倒だから1000円だけ欲しいと言われたので、こちらも面倒だったので払ったとたんに元気になって帰って行ったという珍事もありました。

不動産売買においては、難癖をつけてクレームを言われる場面は、飲食店に比べて少ないですが、時にはあまりにも身勝手な買主の言い分によってご縁が破談することはあります。

多少の価格の値引き交渉はよくあることですが、あまりにもかけ離れた言い値をつきつけられると、さすがに売主も気分を害して縁談には至りません。値引きは言わないからと言って、大がかりなリフォームを要求されたこともありますが、売主が受け入れることはありませんでした。

👥売主は売主様、買主は買主様です

不動産売買という取引きは、例えば飲食業であればいくつかあるメニューから商品の提供を繰り返すというサービスとは異なり、個人の中古住宅であっても唯一無二の商品を特定の方にお譲りするという特定の取引きとなります。

ここでの構図はお店とお客様ということではなく、売主と買主ということになります。どちらか一方が拒否すれば商談は成立しないことになります。

いくら現金一括で購入しようとローンを組もうと、売主とのご縁がなければ成り立たないということになります。買主の都合ばかりで事を進めようとしてもまとまりませんし、売主の都合だけで価格を釣り上げてもご縁は難しいでしょう。

買主の都合だけで決済の日をコロコロ変更して、売主が怒ってしまい、危うく破談になりそうなこともありましたが、なんとか仲介者として収めたなんていう場面もありました。

買主=お客様という考え方もありますが、売主あっての不動産取引だと強く実感したものです。あまりに勝手な要求や横柄な態度だと、売主の気分を害してせっかくのご縁もなくなるということもありますので、購入する側も配慮は必要だということですね。