土地の購入を検討している時に、その土地に面する道路が市道等の公道ではなく、位置指定道路と呼ばれる私道であるケースはままあります。
私道ではありますが、扱いは公道と同等で誰でも利用できますし、建物を建築する際の建築基準法上の接道条件を満たす道路でもあります。
🛣私道で問題になるのは通行と道路の掘削工事
私道とは言え、その所有者が自由に扱うことはできません。位置指定道路は道路として行政に認定されていますので、道路としての利用以外はできないのです。通行を阻害したり、また通行料を請求することもできないのが原則です。通行料について裁判で争って判決が出た事例もなく、誰もが自由に通行しているのが実情です。
また住宅などを新築する際には、上下水道設備が必要となります。土地に面する位置指定道路に本管が埋設されていれば、当然そこから敷地内に引き込んで利用することになります。その際には位置指定道路の名義人から、行政に提出する工事の承諾書を取り付ける必要がりますが、これについても法的には承諾料というものは不要という見解が最高裁の判例でもあるようです。
🛣利用に際して費用が発生する場合もある
位置指定道路の通行に関しては、通行料を請求されたケースは裁判例でもないようですが、給排水設備の新設については相応の費用負担が発生する可能性もあります。
例えば、新設するには他人の配管を利用しなければいけなかったり、掘削工事の際に他人所有の配管や構造物を撤去再生しなければいけなかったりするケースが考えられます。いづれも将来に渡っての負担というよりは、新設するための必要経費という見方ではありますが、通常工事よりは多少費用がかかります。
また、他のルートで給排水の利用が可能であるにもかかわらず、わざわざ位置指定道路の配管を利用するようなことがあれば、争いになった場合には、不承認もしくは相応の継続的利用料が発生する可能性も出てきます。あくまでも外に方法がなければという前提での位置指定道路の無償利用でなくてはなりません。
道路として扱われる位置指定道路ですが、土地を購入する際には、念のため承諾料などの有無については確認するようにしましょう。