仲介業務は文字通り、売主と買主の間に介在して不動産取引を円滑に行う業務です。売主からは売却の理由をはじめ、物件の状態についてしっかりヒアリングを行い、購入検討者に対して漏れなく正確に伝える必要があります。中には事故や事件など言いたくないような内容も含まれることもあります。

事件や事故のことを俗に心理的瑕疵と言いますが、多いのは自殺です。これについては国のガイドラインでは概ね3年間が経過した後は告げなくてよいとされていますが、周辺の方々が認識していたり社会に大きいい影響を与えた事案については告げる必要があります。
一方、自然死や日常生活に中での不慮の死については告知しなくてもよいとされています。ただし特殊清掃等が行われた場合は告知義務があります。これについては個人によって受取り方が異なりますので、売主からのヒアリングの際に判明した事柄については告知した方がよいと考えます。
以前に買主側の仲介業者として中古住宅の取引に介在いたしました。売主側の仲介会社から資料を取り寄せて現地を案内したところ、お話を前に進めて欲しいということになり、買付申込書を提出いたしました。その際に貸与の設備があるので月々の支払が発生することを告げられました。
資料への記載もなく弊社からの説明もなかったのでお客様は少し戸惑いを見せましたが、丁寧にご説明して何とかご納得されました。その後契約日も決まり、ローンの仮審査も無事に通過してご縁となる予定でしたが、契約日直前に新たな問題が発生してしまいました。
1年半ほど前に、屋内でご親族が病気で倒れて亡くなったというご連絡がありました。告知義務がない事象を丁寧に告知いただいたのはよいのですが、お客様にしてみれば後から後から色々出てきてぐったりといった感じです。結局取引は白紙になりました。
売主側の仲介会社を通じての取引の脆さを感じました。買主側での業務とは言え調査不足により弊社への信用にも影響を与えかねません。契約日当日になって告知するケースもあるので、せめて契約の前に知ることができてよかったとも言えますが、何とも後味の悪い仕事でした。
初めから物件のデメリットを説明できていればもしかしたら状況は違ったかも知れません。これもご縁、相性が悪かったと思わざるを得ませんが、あらためて物件のデメリットや特筆事項をしっかり確認する必要があると感じた次第です。




