以前に在籍していた会社でのことです。

新築建売住宅用の土地の仕入れを担当していました。仕入れと言ってもネットで出回っている物件を検討することもしばしばでした。

事故物件のイラスト
👤 ご近所への挨拶で判明いたしました

既に建物は解体されていて、更地になっていた土地の購入を検討しておりました。

有力な仲介会社さんの取り扱いでしたので、多少の価格交渉をさせていただき、購入する運びとなりました。

1週間以内での代金支払いを条件に価格交渉させていただきましたので、すぐに基礎工事の段取りを始めることができました。

そんな中、工事開始のご挨拶ご近所を回っていたところ、解体した建物の中で自殺があったことが判明したのです。

今思えば、短期間で所有者が変わっていたりと不穏な感じはいたしておりましたが、仲介会社さんからも特に説明がなかったので、金策で売り買いがあったのだと思っていました。ところが・・・

既に代金は支払っていましたが、仲介会社さんも売主から説明を受けていなかったこともあり、話し合いの結果、全額返金のうえ契約を白紙にさせていただきました。

値引き交渉もスムースでしたのでこれも今思えばですが、そういった事実が影響していたのでしょうか。

👤 事故物件であっても忌み嫌うばかりでもない

事故物件に関しての感じ方や考え方は色々あると思います。都心部ではあえて事故物件を探している人もいるほどです。

当然、価格や家賃が安いからというのが理由です。

私自身も仲介業者として過去に、自殺があった物件を安く購入した方のお手伝いをさせていただいたこともあります。事件性がなく、価格重視の方であれば、事故物件に対するハードルは低いのだなと感じたものです。

外国の方が、どこで人が亡くなっているかなんて過去を遡ればわからないと言っていたのを思い出します。

その物件の立地や環境が希望に近く、価格的に魅力的であれば検討する価値はあるのかもしれませんね。

宅建業者としては、個人的な感じ方とは別に、しっかりと事実を調べてお伝えすることが大切だと思います。

事故物件の説明に対するガイドラインが公表されて、自然死については説明不要と明記されていましたが、知り得た事実については説明しなければいけないことには変わりないような気がいたします。

忌み嫌うのではなく、柔軟にそして何よりも真摯に向き合いたいものですね。