夏の暑い時期には、打ち水で道路を冷やしたりして水をまくことは多々あるかと思います。冬場でも汚れを落としたりするために、道路に水をまくことはありますよね。
ただ、冬場に水をまくと凍結してしまう恐れがあります。特に寒い信州では尚更のことです。
安全運転をしていても、凍結した道路でブレーキを踏んだらスリップする可能性は高いです。それだけで済めばいいのですが、人や物にぶつかったりすると大事故になりかねませんよね。
損害保険会社にいた時に、そんなスリップによる事故の受付をいたしました。
やはり寒い地域で、凍結した道路でブレーキを踏んでスリップしてそのまま家屋に突っ込んでしまったのです。
幸い運転手も含めてけが人はなく、家屋の外壁が破損しただけでしたのでいわゆる任意保険の対物賠償補償で対応することになったのですが、それだけで済みませんでした。
道路が凍結したのが自然現象ではなく、人為的に水をまいたことによる凍結だったのです。
もちろん、水をまいた方はこんなことになろうとは想像もしていなかったでしょうから、仕方ないと言えばそれまでですが、会社としては保険金を支払って、はい終わりとはいかなかったのです。
求償というのは、加害者に請求することです。
加害者?水をまいただけでと思うかも知れませんが、実際に通知を出していたような記憶があります。確か数十万円だったかと思いますが、そんな大金を急に突き付けられて、きっと驚きと恐怖に駆られたことでしょう。
結果的には、人的な被害がなかったことや事故を想定していなかったことなどを理由に、和解したことになったようなことを聞きましたが、最悪のケースを考えると恐ろしくなりますよね。
道路の凍結は、行政の管理責任が問われるケースもありますが、大抵は運転者側の注意義務だと思います。
水をまいただけでも・・・あまりにも悪質な場合は損害賠償請求もあり得るのでしょう。
ただ、悪意がない場合は水をまいた側も保険で対応できないものなのでしょうか。例えば、日常生活の損害賠償に対応する、個人賠償責任保険という商品で対応できる可能性はありますね。
損害保険も掛けっぱなしにしないで、時々は見直しましょう。