中古住宅の流通を促進するために法整備されつつある住宅診断。まだまだ浸透しているとは言えません。
不動産会社も昭和56年12月31日以前の建築の建物について、診断をしたかの有無を説明する義務があるだけです。
これまでの中古住宅の販売はというと、ほとんどが「現況有姿」販売でした。要は購入時点での状態で購入するということです。
中古なので、当然、経年劣化による不具合は考えられますが、それも含めての価格ということで販売していました。今も8~9割がこのような取引ではないでしょうか。
極端な話、雨漏りやシロアリ、配管の破損等があっても、それを承知した上で購入するということです。
購入する側もその分、価格の値引きを条件にして契約が成立するといった具合です。
知らずに購入して後で発覚しても、個人間の売買では補修の請求ができないような契約内容になっていることがほとんどです。ただし、売主が業者(要はプロ)の場合は、瑕疵担保という条項があって、補修等の対応をしなければならないような内容になっています。
こういった商習慣が長く続いているので、悪く言えば、粗さがしのような住宅診断は敬遠されるのでしょう。
あとはもちろん費用の問題もございますが・・。
住宅診断の費用は凡そ5~10万円くらいが相場です。
検査する内容によって差が出ますが、基本的な目視検査でしたら5万円前後ではないでしょうか?それほど高くないような気がしますが、5万と言えば通常生活の中においては大金ですよね(笑)。
誰が負担するのかと言えば、基本的には売主側でしょう。家の状態を説明できれば、買主側にも安心感があり交渉もスムーズに進む可能性は高まりますよね。
一方、買主側で負担して実施するケースも全体の2割程度はあるようです。売主側に承諾を得られればそれもありかと思いますが、先ほど申した、粗さがしのような印象も与えかねないので、そこは丁重にお願いしなければならないですね。
とは言え高い買い物ですので遠慮することはないと思いますので、仲介会社等に是非とも依頼しましょう。
長野県では診断費用の半分を補助する制度もあったかと思いますので、是非とも活用しましょう。
考えてみれば、車は車検があるのに住宅にはそういった制度がないことが不思議ですよね・・今後は車検ならぬ、「家検」が義務付けられるのかも知れませんね。