新築住宅の性能を数字で評価するのに、住宅性能評価制度という、国の法律に基づいた評価制度があるのは多くの方がご存じかと思います。
例えば、耐震等級3、断熱等級4といった具合に表示されています。
建物の構造に関することから、高齢者等への配慮、防犯に関することなど、全部で10の項目があります。
構造、劣化対策、維持管理への配慮、断熱性の4項目については必ず評価を受けることになっていますが、その他の6項目については選択制となっています。
すべての項目において、等級1が建築基準法に定めるレベルとなっています。ただ、費用もかかるので全体の3割程度の評価取得率となっているのが現実です。
各社バラバラの評価基準を持っていたのを、ある程度統一して、分かりやすく見える化した制度と言えます。
評価項目が多く、等級の数字が大きいほど、性能の高い住宅と言えるのです。
ただ、全ての項目で評価を受けている住宅はあまり聞いたことがありませんね。6~7項目も受けていればかなり高性能で長持ちする住宅と言えるでしょう。
多くは先程の必須項目での取得あるいは未取得という住宅となっています。
先日、耐風等級の取得についてのご相談がありました。検討している新築住宅が耐風等級を取得しているかのご相談でしたが、耐震等級は3を取得していますが、耐風等級までは・・・結局お見送りとなりました。
海なし県の長野では、それほど強い風が吹くということは、ほとんど想定していないと思います。
耐風等級の最高評価2を取得していれば、500年に一度発生する暴風(伊勢湾台風の記録)の1.2倍の力に対して倒壊しないレベルです。当時の記録で最大瞬間風速75m/sという、とてつもない強風です。時速にすると270Km、と言えば新幹線なみの速さですね。
記録されている松本市での最大瞬間風速は1998年の37.6m/sとなっていますので、強風による建物倒壊の心配は極めて少ないかとは思われます。
建物に対する考え方は人それぞれではございます。建売住宅で耐風等級を取得している住宅は、長野県では恐らく無いと思いますので、自由設計にて住宅会社に相談しながら取得をしていただきたいと思います。