土地の購入を検討する際の重要事項のひとつに、隣接者との土地の境界問題があります。

面積の測量を実施して、地面ではその境界が確認できたとしても、時々建築物の一部が境界を越えて空中で自分の敷地に入ってきている場合があります。

カーポートの屋根が少しだけお隣さんの敷地にかかっています
カーポートの屋根が少しだけお隣さんの敷地にかかっています
🏘 すぐに対処してもらうのは現実的ではない?

もちろん自分の敷地に入ってきているのですから、除去や補修により越境を解消していただくのは当然の権利ではあります。

民法においては、例えば竹木の根っこが自分の敷地に浸入してきている場合には、隣地所有者の了解を得なくても切り取っても良いと定められています。根っこは進入した土地の所有者の物であるという考え方なのです。

ただし、枝葉については、隣地所有者に切り取らせることができる、と定められていますので、建物の一部についても同様の解釈がなされるものと思われます。

ただし、あくまでも解釈であって実際問題としては、その越境程度や経過年月、被害の程度によって対応は違ってくるのでしょう。

動産などの可動物であれば動かせば良いだけですが、屋根や壁といった構造物であれば、なかなかすぐに解消するということは難しいでしょう。

🏘 互いに認識しておくことが大事

建築に支障があるなど、直ちに解消しなければならない状態でなくても、隣接者と当人でその状態を確認して認識を共有するようにはしておきたいですね。

さらに、建て替えや改修工事等の際には解消していただくよう覚書等を交わしておけば、将来に渡って安心できるのではないでしょうか。

ただ、これからお隣さんになる方に、後から来て覚書なんて堅苦しい話をすると、何となく最初からぎくしゃくしそうで嫌な感じではありますよね。

ご挨拶の時にさらっと伝えて、認識していることをメモ程度に残しておくのが現実的かもしれません。

あるいは仲介会社が入っているのであれば、第三者として公平な立場でお話すればご納得いただきやすいかもしれませんね。

そういう点では、建売分譲住宅等であれば、そこら辺の問題も解消したうえで販売されているはずですので安心と言えます。

越境の状態が解消されていないまでも、少なくとも隣接者としっかりお話をして、覚書等を結んでいることでしょう。

境界問題は、根深くなる前に対応しておくことが何より大切ですね。