以前に勤めていた会社で、新築建売住宅の用地仕入れから販売、さらにアフターサービスまで担当していた時のことです。

社員の知人の方から、使わなくなった駐車場があるので購入してもらえないかとの相談がありました。そこは使わなくなった三角形の土地でした。

三角地の住宅配置図
△ 土地の形状は土地価格に影響します

近隣の会社に月極で貸していた駐車場が、その会社が移転するということで利用されなくなり、自用で使う予定もないので売却を考えていたところ、たまたま私にご相談がありました。

約36坪の三角形の土地ですので、まずは近隣の方が購入しないかと考えましたが、近隣の方々は比較的広い敷地でしたので、隣近所だけ回ってみましたが、特に必要がないとのご返事でした。

そのことを所有者さんにお話しすると、いくらでもいいから買ってくれないかとのご相談。

いくらでもいいと言っても、ただというわけには参りませんので、路線価や評価額を参考にしながら、土地の形状も鑑みて、けっこうな安価で提案したところ、お話がまとまりました。

お話合いの少し前に、30坪という狭い土地での建築実績があったこともあり、また幸い接している道路が幅4m以上で道路後退の必要もないため、何とか有効活用できる算段はありました。

🏡 三角形の土地の新築住宅はすぐに売れました

家が入る広さがあれば、あとは駐車場スペースが確保できるかという検討をします。

1階がビルトインの駐車場になっているような家も検討しましたが、結局、敷地内に2台は駐車できるという結果となりましたので、2階建ての3LDK住宅に落ち着きました。

1階は15帖ほどのリビングと水回り、2階は4.5~6帖の洋室が3部屋、そんな感じの間取りでした。

土地を安価で購入していましたので、当然そのまま販売価格にも反映させました。土地と建物で確か、1,700万円くらいだったと記憶します。

ちらしを見て最初に来場いただいたお客様に購入いただきました。

土地は借地なのかというご質問があったほど、それほど価格に驚かれていたような感じでしたね。

息子さんが1人いる3人家族でしたので、それぞれにお部屋が出来て喜んでおられました。ご夫婦それぞれの通勤にも便利な立地で、お子様の学校区域も変わらずということでご決断されたようです。

でも一番は価格だったのでしょう。どうしても形の良い土地でなければという方でなければ、価格によってはいわゆる不整形地でもご満足いただけるのだなと感じたものです。

12年ほど前のことですが、今でも快適にお住まいいただいているようでした。