9月21日、土地取引の指標となる「基準地価」が発表されました。

7月1日時点での1平方メートル当たりの価格で、松本市では商業地の地価が平均して3年ぶりに下落したということです。観光やインバウンドの激減が影響したのでしょう。

県内商業地では安曇野市だけは横ばいだったようです。

高宮東に建築中の新築建売住宅地周辺の基準地価
高宮東に建築中の新築建売住宅地周辺の基準地価
👓公示価格を補完するための指標です

毎年1月1日時点の地価調査として公表される「公示価格」という指標がありますが、こちらは国土交通省が発表します。

その地価調査を補完するために、都道府県で調査公表するのが「基準地価」と言われるものです。

公示価格の補完的な役割をしていますので、基準地点は同じではありませんが、価格については近隣で大きく差がでることはございません。

中には同じ基準地点としている場所もありますが、例えば松本市開智2丁目で見てみると、1月1日地点での公示価格が87,800円(㎡)に対して、7月1日地点での基準地価は88,000円(㎡)となっています。この半年間で㎡単価で200円上昇したと言えますね。

不動産会社は㎡単価ではなく坪単価で計算することが多いので、88,000円(㎡)ということは、0.3025で割り戻すと290,909円(坪)ということになります。

開智は住宅用地としては希少ですので、実際の取引はこの価格以上で取引されています。あくまでも取引の基準にするものであって、実際価格とは差異が出ます。

👓周辺環境が基準価格に影響されます

取引の基準とする価格ですので、当然周辺の環境によっては価格の変動が出てきます。地価は基本的に需要と供給バランスによって決まりますので、環境の変化によって価格が上下します。

例えば松本市で言えば、イオンモール松本の開業による集客などはプラス要因となりますので、商業地の価格は上昇します。

しかしながら今回の調査では、コロナの影響を受けて多くの地点で下落の影響を受けています。

住宅地においては、松本市、塩尻市、安曇野市に加えて山形村も微増ではありますが、上昇いたしました。コロナ渦での在宅需要が堅調なのでしょう。

山形村に関しては、大型商業施設のアイシティー21もあり、郊外であっても利便性が高いことがあらためて評価されたものです。

逆に中山間地域においては下落幅が大きく、完全に二極化が進んでいると言えるでしょう。

コロナが落ち着いて観光客の増加により、商業地の活性化と併せて、移住者の増加も加えて、松本平が活性化していくことを望みたいと思います。