弊社にて購入を予定している土地には、貸家が2棟建っていて、2世帯の方が住まわれています。

木造平屋建ての建物は、築後50年以上と老朽化が進み、修繕を繰り返しながら雨風を凌ぐには支障はないですが、ひとたび大きな地震が直撃でもすると倒壊する恐れがあります。

築後50年が経過する貸家
築後50年が経過する貸家
📖賃貸借契約書の内容についての説明

一般的な賃貸借契約書であれば、契約の解約についての条項が記載されています。

貸主から解約の申し入れをする場合には6ヵ月以上、借主から申し入れをする場合には1ヵ月以上前に申し入れするように記載されています。

お引越しの準備や、次に住むところの手配などにはそれなりに時間を要するということで、貸主側から申し入れをする場合には相当の期間が設けれらています。

また、借主が家賃を滞納しているなどの一定の過失があれば、退去を求めるに理由は不要ですが、通常は貸主側から申し入れする場合には、それなりの理由が必要になります。

これを正当事由と言いますが、例えば貸主側で自己利用のためにどうしても必要になったであるとか、周辺の土地有効活用開発事業のために必要になったという事由が考えられます。

あとは双方の問題として、建物の老朽化により取壊しが必要になった場合にも正当事由として認められるでしょう。

勝手な理由では退去いただくことは難しいのです。

💰退去に伴う立退料って必要なのか

理由はどうであれ、今まで生活していた拠点を退くわけですから、借主の相応の負担は考えられます。

一時的に住んでいたとか、セカンドハウス的に利用していたならばまだしも、生活の拠点となっていたならば、転居にはそれなりの費用と時間を要します。

6ヵ月以上前に申し入れがあれば時間的にはそれほど負担にならないかと思いますが、次の住まいを探す手間とか労力は少なからずかかります。

貸主側としては、正当事由はあるとはいえ、退去に向けて出来る限りの協力はしたいものです。

立退料には、当然決まった金額はありません。契約書通りに申し入れして、立退料の収受がないというケースもあります。引越し代のお支払いということで、家族人数×2~3万円という判例もあります。

賃料の3~6ヵ月が相場という通例のようなものもありますが、いづれも必ず支払わなければならないものでもないのです。借主側の過失や正当事由の程度によって異なってくるものなのです。

いづれにせよ双方でしっかり話し合って、無理の無いようにお引越しいただくのが最良と言えそうですね。