先日、松本市内の住宅地の価格査定のご依頼をいただきました。
価格査定は、その土地の立地、道路との関係、利便性など総合的に評価させていただき、近隣での販売事例も参考にしながら行うのですが、唯一無二の物件だけにとても悩ましい業務であります。
🛣まずは物件の特定と道路との関係
まずは登記簿謄本を取得して権利関係を調べて、査定物件を特定いたします。
稀に他人様の土地が含まれている場合もあるので、念のため登記簿謄本にて確認をいたします。
特に道路と思って使っていたところが個人名義になっていたりすると、接道義務を満たしていないことになり建物の建築ができないので、そうなると言い方は悪いですが、査定するまでもなく隣接者等への売却を提案したりすることもあります。
逆に個人名義になっていても、行政から認定された、いわゆる「位置指定道路」であったり、稀に市道に個人の名義が残っていることもあります。このケースは恐らく寄付なりの手続きを行っていないだけと思われます。
いづれにせよ道路として利用できる状態であれば接道義務は満たしていることになり評価いたします。
ほとんどの方は建物を建てる目的で土地を購入されますので、道路との関係は重要な要素となります。
道路状況については、査定地からの方位や道路幅、舗装状況といった点で評価をいたします。
👥個別要因がある場合の評価
査定業務を行っていると、時々個別的な状況が出てくるケースがあります。
もちろんそれぞれの土地は、形状も周辺環境も異なりますので、それぞれが個別要因を持っていますが、特に個別性が大きい要因もあります。
例えば今回ご依頼いただいた土地について言えば、水道メーターが隣接する土地に設置されていて、そこに他の2件のメーターも設置されていたのです。
当然メーターが設置されている土地の方は認識されていますが、言わば他人の土地を使って水道を利用している状態になっています。昔からその状態で、金銭のやりとりもないとのお話でしたが、第三者が購入を検討する際には間違いなく障害になってしまいます。
他人の土地を利用できる権利「地役権」を有していたとしても他人の土地には変わりありませんので、将来に渡って不安がつきまとうことになります。
他の場所に設置できない状態ですので、撤去を求められることはないとは思いますが、購入する側とすれば、よほど勝る理由がないと踏み切れないのではないでしょうか。
個別性が大きい土地の評価は難しく、多少の幅を持たせた形でご提案して相談することになります。
利便性や環境といったアドバンテージと併せて販売のお手伝いをさせていただけましたらと思います。