先日、中古住宅の売却相談を受けさせていただきました。

親御さんから相続されて、相続税の支払いもあるので売却を考えているというご相談でした。相続税の支払い期限は、相続があったことを知った日から10カ月以内ですので、そんなに時間がない中でのご相談でした。

松本市にある築50年の平屋住宅
松本市にある築50年の平屋住宅
🏡早く現金化したい場合の売却価格

相続税はにこにこ現金納付が原則です。

期限を過ぎると延滞税などが発生してさらに負担が重くのしかかります。延納で分割払いする方法や、不動産などで納める物納という方法もありますが、延納は利息が発生しますし、物納は延納ができない場合にしか利用できません。

そうなると、必然的に不動産などの相続財産を早く売って現金化する、という考えになるでしょう。

市街地のマンションなど、すぐに売却が見込める不動産であれば良いですが、古家が建っていて大がかりな補修が必要であったり、解体しなければならない場合などはかなりの時間を要することになります。

それでも早く売却したい時などには、買取価格を検討することになります。

買取価格は不動産業者などが購入する価格です。多くは販売用として購入しますので、一般的な市場価格よりは低くなってしまいます。

それでも現金化することが優先であれば検討する価値はあるでしょう。早ければ1~2週間で現金が手元に入ってきますし、一般個人に売却するよりは大幅に手間は省けるでしょう。

💰仲介価格と買取価格の区別がつかない?

今回のご相談については、相続税の現金は兄弟間の貸し借りで何とかできそうだということでしたので、仲介価格で査定提案をさせていただきました。

お話をしている中でどうもかみ合わない部分があるので、仲介での価格と買取での価格について改めてお聞きしたところ、どうもごっちゃになっている様子でした。

価格の差はご理解いただいていましたが、仲介でも買取でも、売却代金が業者から振り込まれると思っていた様子でした。

仲介の場合の売却代金は購入された方から支払われるという説明をさせていただいて、お支払いは現金一括かあるいは金融機関からの借入で、その場合でも一括でのご入金になるとご説明をさせていただき、ご納得いただいた次第です。

多くの方にとっては不動産売却など初めての方が多いので、丁寧にご相談に乗るように心がけています。

親御さんから引き継いだ大切な財産です。ご納得いただいたうえで、スムーズに売却できるように引き続きお手伝いさせていただきたく存じます。

買取価格と仲介価格、価格の違いもそうですが、売却に至るまでの過程も違います。

一般的には仲介価格の方が高くなる傾向ですが、その分手間と時間がかかるということもご理解いただきました。