国道158号線は、松本市の渚1丁目交差点から始まり、波田や上高地、岐阜県高山市を経由して福井市に至ります。大自然を抜ける道はドライバーやライダーにとても人気があります。
その反面、松本市街地に近い沿道には空き家や空店舗が目立ちとても寂しい雰囲気です。
🏪市街化調整区域は建物の用途が限定されている
農業最優先の市街化調整区域は原則、建物を建築できない区域となっています。
もともと所有していた土地等に居宅を建築する、あるいは農業関係の施設を建築するという場合には建築の許可が下りることが多いですが、土地を買って住宅を建築したり、お店や事務所を建築して営業するという行為は、ほぼ認められていません。
周辺住民の日常生活に必要な物品を扱う小規模なお店であれば、時々認められることがあります。沿道に食料品や日用品を扱う小さなお店を見かけることがありますが、それぞれ行政の許可を受けて営業しています。道の駅やドライブインも調整区域で許可されています。
ただし一度許可を受けたお店は、原則業態を変えたり規模を拡大したりできないので、そのままずっと営業することになります。それゆえ中には経営が立ちいかなくなったり、後継者問題で閉店となり、空き店舗が目立つようになってきたのが現状です。
🏪行政も空き店舗対策に頭を悩まされている
松本市もこういった空き家や空き店舗が目立つ状況を危惧しており、令和3年には許可の内容を一部緩和する基準を制定しています。
原則10年以上維持管理されていた現存する建物の用途変更に係る基準を新たに制定しました。敷地面積の増加や建物の増改築には引き続き制限が伴いますが、例えば店舗から飲食店、店舗から事務所等への用途変更などが可能となります。
ただしあくまでも市街化を抑制する地域ですので、多数の人の出入りがある量販店等は許可が難しいでしょう。
基準の冒頭に「用途変更をすることにつき、真にやむを得ない事情に伴って再活用を行うものであること」とありますので、高齢により維持管理が難しくなるケースや、経営悪化等の理由により店舗事務所部分を維持できなくなったというケースを想定していると考えられます。
弊社でも取引先より事務所物件の紹介を依頼されていますので、こういった空き店舗などにも着目しながら、地域の活性化にも貢献できるようにお手伝いさせていただきたいと思います。