松本市にもまだ雪が降る季節です。スタッドレスタイヤの交換の予約をしていたのにもかかわらず、この雪では迷ってしまいますね。

この時期は水分の多い雪ですので平地ではすぐに溶けるでしょうから、雪山にでも行かなければ大丈夫かとは思いますが、一抹の不安はあります。

雪の積もる松本市
⛄お隣さんのカーポートの屋根から落雪が

以前に、お隣さんのカーポートから雪が落下して、敷地内に落ちてくるという相談を受けたことがありました。

隣接の方にご丁重にご相談に行きましたが、後から来て言われても対処できない、そちらで雪避けの柵等を設置してほしいと言われました。逆に、相談者側の窓から敷地内が丸見えになっているので、隣合う窓の全てに目隠しを設置するように要求されることになり、クレームをクレームで返されるという予想外の結果となりました。

相談者の方は大変悩まれて、お引越しまで考えるということになりましたが、結局、雪止めのためのフェンスを設置して様子を見るということになり、今もお住まいいただいているご様子です。譲歩?したこともあり、目隠しについては一部の窓に設置することで了解を得られたようで少し安心しました。

何だか腑に落ちないような気持ちになりましたが、お相手の方も正論ですので問題を大きくするのは得策ではないとご判断いただきました。

░目隠しはプライバシー保護のために必要

人の生活はプライバシーが守られなければいけませんが、一方、土地の所有者は自分の土地には自由に建物を建築する権利を有します。

そこで、民法では日常生活におけるプライバシーの確保と土地利用の自由とのバランスを考慮して、境界線から1メートル未満の距離において、他人の宅地を見通すことができる窓または縁側を設ける場合は、目隠しを付けなければならないと定めました。(民法235条1項)

他人の土地を見通せるかどうかは、真正面にあれば間違いなく見通すことができますが、換気用の窓など、わざわざのぞき込まない限り宅地を見ることができないようなケースであれば目隠しの設置は不要です。

また、プライバシーの確保ということで、民法234条では建物は境界線から50cm以上の離隔距離が必要と定められていますが、通常の配置計画であれば50cmは離すことがほとんどでしょう。

また民法では隣接者同士での不動産の利用を調整できるように相隣関係という規定が定められています。目隠しの問題もそうですが、通行や排水などの問題についても民法の定めには準じていなくても、お互いで利用方法について合意ができていればよいということです。

ご近所とは法をかざしてまでギクシャクはしたくないものですね。普段からのちょっとしたお付き合いがあれば問題になることもないのかなと感じた次第ではありました。