以前に、新築建売住宅の分譲用地として、8所帯の共同住宅を競売の入札により購入いたしました。築年数は50年近く経過していましたので、当然建物の取り壊しを前提としての購入です。
8戸のうち1戸だけは何となく利用しているような雰囲気はありましたが、室内はゴミ置き場と化していて生活はしていない様子でした。
🏢不動産(土地建物)以外は対象にならない
競売により不動産を購入したとしても、室内や敷地内にある動産などの残置物は勝手には撤去ができません。勝手に処分すると、場合によっては損害賠償を請求されることもあります。あくまでも不動産の購入ですので動産は対象外ということです。
前の所有者と連絡が取れる状態であれば、直接お話をして残置物の所有権を放棄する旨の取り交わしをすればよいですが、競売ですと通常の売買とは異なりますので、多くの場合は連絡が取れません。
そんな時は法に基づいて強制執行をすることになります。執行官により期限を決めて撤去する旨告知(張り紙)をして期限を過ぎれば所有権を放棄したこととして、そこで初めて処分が可能となります。
執行にかかる費用は数万円ですが、残置物の保管が必要となった場合には別途数十万円の費用が発生することもありますが、購入した物件にしばらく保管ができる場合は不要となります。
👤占拠人との引渡し交渉となりました
廊下部分を作業場として利用している占拠人が一人いましたので、タイミングを見計らって面会して立ち退きの交渉をすることになりました。
使わない道具などは置いていって構わないので使用を止めてほしいと伝えるも、何か腑に落ちないような言い訳をするばかりでした。すると、荷物が置いてある部屋があって、その荷物の所有者と連絡が取れるというので、撤去させる代わりに金銭をいただくことは可能かとの要求を受けることになりました。
こういった展開は予想していて、当時の上司にもある程度の額まではお任せいただいていましたので、ずばり金額をお伝えしたところ、多少の上乗せ要求をしてきました。それほどでもなかったのですが、仰々しく一旦持ち帰って、後日に金銭要求に応える旨をお伝えして無事退散いただくことができました。
その後建物の解体を始めたところ、ここでは書けませんが怪しい反社物がたくさん出てきて、多少の金銭解決で済んでよかったと思ったものでした。競売物件は時々手間のかかる状況になりますので、個人で入札を検討される際には不動産会社に相談するようにしましょう。