先日、松本市郊外の土地の売却相談がありました。親から相続した土地ということで、利用する予定もないため、早々に売却したいということでした。
市街化調整区域にある土地でしたが、一戸建て住宅など小規模な建物なら建築が可能な区域に指定されていましたので、役所調査をした上でご相談させていただくということになりました。
お話をお聞きしたところ、ご相談の相続土地については、以前に親御さんが飲食店を開業するために準備していたことがあるとのことでした。現地に行ってみるとその面影はなく、コンテナ倉庫と車が数台放置されていて、随分と長い間そのままの状態だったことがうかがえる感じでした。
早速、調査のために市役所の建築指導課と農政課に出向いて参りましたが、確かに10年以上前に飲食店の開業をする目的で建築の許可を取得していましたが、本来なら農地以外での利用ができない土地を、日常生活に必要な利便施設ということで、特別に許可が下りたものでした。
そのため、現実的には許可をした方(今回の場合は親御様)が飲食店舗を営業する以外での利用はできないという結果でした。しかしもうお亡くなりになっていますので、計画が進むことも考えにくいですが、役所としてはそこまでの回答しかできないということでした。
区域指定図の下方にある注意書きを良くみれば、農振農用地を除くとなっています。今回ご相談の土地はまさにそうだったということです。農地には俗に白地、青地とありますが、農振農用地はこのうち青地農地になります。法律に定められた農業施設や公益施設などの特別な用途でないと利用の許可が認められない土地ということです。
相談者さんも一抹の不安はあったということでしたが、市街化調整区域の制限が緩むことは考えにくいので、かなり制限された中ではありますが、幹線通り沿いに位置しますので、許可要件を満たすような相談があればご案内させていただきたいと思います。