お客様の中には、まとまったお金があるので不動産を現金一括購入するという方も時々います。

そんなお客様の中には、現金で一括購入するという理由で値引き交渉をお願いされる方がいますが、不動産売買においては現金一括であるという理由だけではお値引きに応じないのが通常です。

通帳と印鑑とお金のイラスト

現金一括で購入するお客様に対して、仲介会社としてはお値引きに応じたい気持ちはもちろんあります。どんな方法であれ、自力で蓄えられた大切なお金ですので、その努力には報いたいという気持ちもあります。

しかしながら実際のところは現金一括購入であろうとローン利用する場合でも、売却する側からすれば、いづれにしても現金一括での受取りとなりますので変わりはないのです。

確かに現金一括払いの方が、ローンの審査や手続きの時間が短縮されるので、売却する側とすればそれだけ早く売買代金を受け取ることができます。とは言え、よほど急いで現金が必要でない限りは、あるいは早めに運用して利息がたっぷり受け取れるご時世でもないので、1~2ヵ月の差であれば気に掛けるほどでもないのです。

それよりも、離婚や相続が発生した場合などで現金化を急いでいる理由があることの方が、値引き交渉においては有効でしょう。逆に、ただ単に現金一括ということで嵩にかけて上から目線で交渉すると、売主側の機嫌を損ねて商談がまとまらなくなるということも考えられます。

相場からあまりにもかけ離れているような価格の場合は、不動産会社も事前にアドバイスをして値引き交渉に積極的に協力することもありますが、通常の取引では基本的にはお願いベースでの交渉になることがほとんどです。

不動産売買はまたとないご縁ですので、互いに気持ちよく取引ができるようにお役に立ちたいと思います。