弊社にて購入させていただいた土地に建っていた、築後50年以上経過している建物を昨年度中に解体いたしました。

場所は松本市島立で、もともと平屋建ての借家が2棟建っていましたので、何となく同時に申請しようと考えていましたが、借家人さんの退去のタイミングが1年以上ズレる結果となり、この度慌てて1棟だけ先行して滅失登記の申請をいたしました。

間もなく借家解体予定の松本市島立分譲地
松本市島立分譲地。残る借家も間もなく解体予定です。

建物を解体した場合は、滅失の登記が必要になります。建物を解体した日から1ヵ月以内に申請しないと10万円以下の過料に処するとされていますが、厳密に運用されていることもなく、申請書に取壊し日を遡って記載すれば処分されることはないです。

ただ、余計な固定資産税がかかってきたり、またその土地に新しく建物を建築する際には、滅失の登記がなされていないと新築の許可が下りないなどの支障がありますので、解体をした際には忘れないうちに滅失登記の申請をしましょう。

また、土地を売却しようとしたとき、解体した建物の登記が残っていれば、そのままで購入する人はいないでしょう。とりあえず建物の所有権移転をしたとしても、支払う必要のない取得税や固定資産税の負担が発生しますので、必ず滅失登記を要求されるでしょう。

また、相続が発生した場合には、遡って滅失登記をしなければならない等、手続きが煩雑となり余計な費用も発生しますので、残された方に不憫をかけないためにも、解体後は速やかに滅失登記は完了しておいたほうがよいでしょう。

登記申請の窓口

滅失の登記は土地家屋調査士等の専門家に依頼すれば難なく登記が完了しますが、当然数万円の費用がかかります。それほど煩雑な手続きではないので、自分で申請する方も多いと思います。

登記簿謄本(法務局発行)、地図(住宅地図)、申請書(法務局書式)、解体証明(解体した会社が発行)を準備して、松本市であれば松本市沢村にある地方法務局に出向いていきます。窓口に申請書を提出すると、登記官がチェックをして、修正があればその場で指摘を受けますので修正します。訂正や追加で押印を求められることがありますので、申請書に押したみとめ印等は持参するようにしましょう。

滅失登記はそれほど煩雑ではないので、ご自身で申請してもその日には受付が完了するでしょう。費用も登記簿の発行手数料数百円だけで済みます。今回私は代理人という立場で申請しましたので、委任状を別途持参しました。それほど煩雑ではないですが、反復継続して他人の登記を代理申請していると、報酬の有無にかかわらず法に触れることがありますので注意しましょう。