不動産の取引、特に売買の取引においてのお値引き交渉の場面はよくあることです。季節セール等があるわけでもないので、都度の個別交渉となります。弊社でも毎度ではないですが、3回に1回程度は交渉が入るような感じでしょうか、それでも毎回話がまとまるわけではございません。

売地とセールのイラスト

売買価格は適当に決められているわけではありません。売主が業者であれば、相場や経験値を活用しながら、さらに利益も考えながら決めるでしょうし、個人の売主であれば、ローンの残債や売却に伴う費用等も加味しながら検討することになるでしょう。

よく、お値引き交渉を想定して最初から〇〇万円を上乗せしているなどというお話も聞きますが、それも含めての価格設定ということになるかと思います。だからと言って売り出してすぐのお値引き交渉では逆に買えるものも買えない可能性があります。

上乗せしているとしてもそれを知る由もなく、その設定価格でタイミングよく希望の物件を購入できた方が幸運という見方もできるかと思います。あまりにも相場とかけ離れていれば話は別ですが、予算内で購入できたのであれば、これは良縁ではないでしょうか。

値引き交渉はデリケートな側面もあります。あまりにも大幅な値引き交渉を持ちかけてしまうと、完全に売主の気持ちを害してしまい、その後に上乗せ回答をしたとしても後の祭りということにもなりかねません。交渉前は仲介会社等としっかりと相談することも大切になってきます。

高く売りたい売主と安く買いたい買主のギャップは仕方のないことです。大げさな言い方かもしれませんが、お互いに人生がかかっています。お値引き交渉をする際には、売主の設定価格を尊重しながらも買主の事情も考慮して、互いに気持ちよく取引ができるようご協力させていただきたい所存でございます。