新築建売住宅の販売業務を行っていた頃に、とある若いご夫婦とのご縁があって、購入いただくことになりました。比較的新しい住宅が建ち並ぶ住宅街の一画に建築した新築住宅です。立地も間取も価格にもご納得いただき、無事にお引渡しを終えることができました。
購入前に何度か現地にて物件を拝見いただいた時に、奥様の方が多少音に敏感だというお話をされていました。近所にはお店などもなく、交通量の少ない生活道路に面して建っていましたので、さほど気にはならないということでした。
新居での生活が半年ほど経ったある日のこと、室外機の音が気になるとのご相談がありました。オール電化住宅でしたのでエコキュート設備があったのとエアコンの室外機もあったのでどこか具合が悪いのかと思い、設備業者さんと出向くことになりました。
点検したところどこも悪くなく、音も通常感じられるような音でしたので、問題はないということをお話いたしましたが、実はお隣さんの室外機の音が気になるということでした。古い設備でしたので、多少の音はありましたが、感じ方には個人差もありますので何とも言えない状況でした。
その後も一度気になり出したら止むことがなく、お隣さんにも相談のしようもないので、悩んだ結果売却するということになってしまいました。購入した価格よりも高く売却できたのがせめてもの救いではありましたが、何とも切ない結末となってしまいました。
エアコン室外機から出る送風で草木が枯れたというご相談に対して、風向対策を施して解決したという事案もありましたが、音の感じ方は人それぞれです。再販売の前に一応測定器で計測しましたが、一般的には許容できる範囲の音でした。それでも気になる人はいるものです。残念ですがこんな売却理由もあるのですね。