家賃収入のあるいわゆる収益アパートの査定依頼も時々いただくことがあります。ご相続により引き継いだものの管理もままならないので売却したい、あるいは投資家さんが資産替えのために売却したいということでの査定依頼などもあります。
査定の基本となるのは物件そのものの価値になります。土地であれば路線価や公示価格などの公的な評価を参考に計算をして、建物は建築当時の建築単価から経年による減価を加味して計算します。場合によっては固定資産税の評価額なども参考にすることもあります。
積算法と言われる計算方法ですが、あくまでも物件自体の査定ということになりますので、後は物件固有の要素、例えば立地や道路との関係、駐車場の台数などアパートとしての需要や利便性などを加味して調整を行います。
近隣の取引事例を参考にして計算する事例法というのも使います。これについては細かい計算というよりも、似たような物件の近隣での取引事例があればそのまま参考にしますが、当然全く同じものはないので、あくまでも参考価格として、他の方法で計算した結果との比較となります。
そして最もリアルな計算方法が収益還元法という計算になります。その物件の家賃や共益費、駐車場その他収入の合計から、管理費や共用費、固定資産税などの費用を差し引いた収益を算出して利回りから評価する方法です。
利回りの対する考え方は、近隣の賃貸需要や入居率、家賃の設定により異なってきます。近隣アパートの入居率や家賃設定を調査して設定することになりますが、利回りの設定値によって大きく査定額が変わってきますのでここが一番のポイントになってくるでしょう。
これまでの修繕履歴や今後予測される出費などもヒアリングさせていただくこともありますので、売主様としっかりご相談しながら進めさせていただきたいと思います。