不動産の購入を検討する際には、価格はもちろん周辺環境や近隣情報などはとても気になるところです。不動産会社が説明する重要事項には物件の法的な制限や取引条件についての説明であって、周辺環境や近隣情報については売主からヒアリングした内容についてのみ説明があります。

物件状況リスト

周辺環境については目視によって確認できることと、物件の隣接者等にヒアリングして確認することが考えられます。近隣調査と重なる部分も多いですが、ゴミステーションの場所や近くに水路や川があれば過去に氾濫したことがあるかなどお聞きすることもあります。

近隣調査を専門的に有償で行っている会社もありますが、不動産会社が行う調査は無料のところが多く、その調査の範囲には限界があります。せいぜい近隣へのヒアリング程度になるかと思いますが、それでも貴重な情報を取得できることもあります。

以前に仲介した土地の近隣調査をする中で、以前に建物が建っていたのですがその建物内で2年程前に自殺があった事実が判明したこともありました。複数人の近隣者にご挨拶を兼ねてヒアリングを行ったのですが、おひとりの方から他言無用ということでお話がありました。

他の方々は知らなかったのか言いたくなかったのかは不明ですが、いづれにしても知った以上は買主側にお伝えしなければいけません。結果的には買主側が受忍できる範囲でしたので売主側の配慮でお値引きにて対応することになりました。

境界が不明など物理的な事実は確認できますが、心理的な部分については調査を行ったとしてもその結果については不確定な要素も多く、受け取り方にも個人差があるものです。誰もが知っているような事実であれば売主側の告知もあると思いますが、特定の方だけが知っている事象の調査には限界があるものです。

気になる物件が見つかったら、例えば早朝と深夜に物件周辺を歩いてその様子を観察したり、ご近所の方を見かけたら購入を検討している旨を伝えてお話を聞いたり、さらに役所に赴いて苦情などがきていないかなど個人でできることもあるかと思います。

不動産会社に調査協力を依頼することはもちろん自身でもできる範囲で調査した結果、問題がないと判断すれば購入を決めればよいと思います。実際に住んでみないとわからない事柄の方が多いのである程度の割り切りも必要でしょう。