相続した実家をどうするのかは悩ましい問題です。そのまま引き継いでそこに居住できれば、多少のリフォームは必要になるかも知れませんが、それ以上の余計な費用も手間もかからず、何より実家がそのまま残るということは親族にとっては喜ばしいことではないでしょうか。

家を相続するイラスト

とは言え、相続が発生する頃にはすでに子供たちも巣立って、家族もできてマイホームを構えていることの方が多く、残された実家をどうしようかと思案することになります。空家となった家は管理がなされないと増々劣化が早くなり取り壊すという選択肢しか残らなくなります。

管理をすると言っても誰がどのくらいやるのか問題になりますし、月々1万円前後で空家管理をするサービスを依頼するという方法もありますが、結局費用を払って延命措置をしているにすぎません。いずれは使うのか、売るのか貸すのかを決めなければいけない時期が来ます。

相続人の総意をもって売却が可能であればなるべく早く売却する方が良いでしょう。令和9年までは、相続した実家を親が居住用に利用していた等の条件を満たせば、相続日から3年以内に売却することにより譲渡による利益から3000万円を特別控除する特例もございます。

売却して現金化することにより相続協議もやりやすくなります。またサラリーマンなどの給与所得者は標準報酬月額という指標で保険料が決められているので、社会保険料などの金額も上がることはございません。ただし自営業者などは所得割部分が1年間だけ上がってしまいます。

一方、賃貸に出して定期収入を得るという方法も考えられます。こちらはサラリーマンなどの給与所得者であっても年間20万円以上の家賃収入があれば確定申告をする必要があります。それでも給与以外の一定の収入があるというのはありがたい話です。

ただし、オーナーとしての管理業務が発生いたします。借り手を探すのは仲介会社に依頼すればよいですが、決まれば手数料なり広告費がかかります。またその後の借主対応も管理会社に依頼することもできますが、毎月家賃の数%の固定費がかかります。

大規模な修繕などが発生した際には思わぬ出費となり、想定していた収入が見込めなくなるというリスクがあります。実家を貸すだけといっても、ひとつの事業のオーナーとしての自覚をもって決断しないと実質収入に見合わない心労ばかりが積もることになります。

売るのか貸すのか使うのか、まずは第三者である専門家等にご相談されてみてはいかがでしょうか。そんなお悩みのご相談にも乗りますのでお気軽にお問い合わせください。