弊社では不動産の買取り業務をメインに行っておりますが、不動産は毎度物件が異なりますのでその都度様々な検討や調査をする必要があります。一般市場で購入する際には取り扱っている不動産会社が事前調査や準備を行っていることが多いので、それほど計画が狂うことはございません。
不動産の調査は主に、隣地境界や周辺環境、道路敷地の高低差などを調べる現地調査、都市計画法や建築基準法の制限を調べる役所調査、その他上下水道設備の敷設状況を調べたり、敷地が水路や側溝と接していればその所有形態や蓋を設置する工事の検討をします。
またカーブミラーや電柱支柱、消火設備などがあれば関係各所に出向きその取扱いについて確認したり、石碑や気になる構造物などがあれば近隣へのヒアリングを行ったりもします。買取りでなくても売主からの売却依頼でお預かりする際にもこのような一連の調査はすることになります。
先日の調査物件では敷地と道路の間に側溝がありました。法務局の公図を取得したところ、地番が付いていましたので道路の一部ではなく地元の土地改良区が所有する水路ということが分かりました。道路側溝であれば地図上は区分されず、また水と表記されていれば公共物となります。
松本市管轄の公共物となれば、水路に蓋をする際には、鉄板やグレーチング工事とはいかず、定められた基準に従って工事をする必要がありますので費用が高くなってしまいます。今回は土地改良区の所有ということでしたが念のため工事方法などについて相談に出向きました。
グレーチング工事を想定して相談に出向きましたが、結果は松本市の基準に沿った設置方法でないと許可を出さないということでした。水路部分を損傷しないような構造で当然削ったりしてもいけないということでした。許可料については聞きませんでしたが恐らく必要なのでしょう。
周辺は既に住宅街になっていますのでほとんど機能していない水路だとは思いますが、蓋の設置工事は必須ですのでそれに対する費用は計上せざるを得ません。想定外の費用ですが販売用土地として仕上げるためには勝手に工事をするわけにもいきません。
様々な工程を経て住宅用地として完成させるには一筋縄には参りませんが、関係協力業者さんとも相談しながら進めていきたいと思います。