ちょっとした揉め事のはずが、なかなか折り合いがつかず、事がだんだんと大きくなって・・・もう裁判だという気持ちになっても、裁判となれが時間も費用もかかりますし、できれば話し合いで解決したいというのが本音ではないでしょうか。

そんな紛争の解決方法のひとつに、ADR「裁判外紛争解決手続き」という方法があります。

ADR「裁判外紛争解決手続き」
📖簡便な手続きで経済的な方法です

国民生活センターや各県の弁護士会が窓口になっていて、申立手数料は1件11,000円です。

和解が成立すれば、その額に応じて、0.55%~8.8%の成立手数料を支払います。例えば、100万円で和解すれば、成立手数料は88,000円となります。

申立書は、例えば長野県弁護士会館で受け取るか、弁護士会のホームページからダウンロードもできます。

仲裁人と呼ばれる中立公正な立場の弁護士が間に入って、申立人相手方の双方の言い分をよく聞いたうえで、紛争を解決に導くお手伝いをしてくれます。もちろん法律的な観点から、最終的には落としどころを探っていくといった感じでしょうか。

話し合いの場も、当事者と仲裁人弁護士で任意に調整できます。1回目の話し合いは申立てから原則1ヵ月以内を予定していて、1回目で和解できなければ、2回目の話し合いの場を1回目終了の1週間~1ヵ月以内を目途に調整します。

話し合いの場所は、松本市であれば松本城近くの弁護士会館や解決センターが手配する会場になります。

紛争解決までに3~4回の話し合いを行って、3ヵ月以内での解決を目指してご協力いただくことになります。

裁判のように完全決着ではなく、和解が不成立となる場合もあります。

💻事務局としてお手伝いさせていただいています

弊社でも、このADRの申立てを受けた、とある団体のお手伝いをさせていただいております。

金銭トラブルが多い中で、不動産や建築に関するトラブルもけっこうあるようで、今回は専門家として助言やアドバイスをする立場ではなく、意見や意向を取りまとめてアドバイザー弁護士と連携する立場でお手伝いさせていただいております。

事務局と言えども不動産の専門家としての知識や経験は求められるということで、お役に立てればと思い参加させていただくことになりました。

これから第1回の和解あっせんを迎えるところですが、粛々と事務作業をこなしながら当日に備えて準備しているところです。

今回は申立人、相手方双方ともアドバイザー弁護士を立てて調整していますが、当然費用も発生しますので、事案によっては弁護士を立てないで進めることもあります。

和解成立に向けて、裏方としてお役に立てるように協力していきたいと思います。とは言え、揉め事に絡んだ業務は通常業務とは違う緊張感もあり、是非とも納得のいく解決案に至ることを望んでいます。