現在、松本城周辺は道路やお堀の整備が進行中です。

お城の周りには、藩主との謁見が許された家老などの上級武士の武家屋敷が多く存在していましたので、遺跡の発掘調査も平行しながら工事が進んでいます。

いくつか立ち退きで時間を要しているような建物もありますが、順次解体作業も継続されています。

松本城近くの遺跡発掘調査の現場
🏯文化財保護法という法律で守られている

松本市には多くの遺跡群が存在しています。

不動産会社は物件についての重要事項説明の際には、遺跡群に指定されている区域に位置する物件かどうかの説明が義務付けられています。遺跡群に位置する土地での建築工事などの際には、工事の60日前までに行政に届出をする義務があるからです。

一般住宅の建築程度であれば届出をするだけで済むことが多いですが、大規模な造成工事などとなると、事前に発掘調査の実施が必要になる可能性があります。容易に撤去移動できない大規模な建物の建設や、道路を敷設する際にはほとんどのケースで発掘調査が実施されます。

届出をしなかったからと言って特に罰則はございませんし、届出をして60日を経過すれば着工しても問題はありません。あくまでも任意ですが協力する場合がほとんどです。

万が一購入した土地が後に史跡名勝記念物などに指定されたような場合だと、その現状に影響を与えるような行為が制限されたり行為によっては罰則があります。

🏯平安時代のキッチンが発掘されたことがありました

とある開発分譲に携わった時のことですが、敷地内に市道になる予定の道路を敷設するということで発掘調査が実施されました。道路部分になる敷地を2~3m掘って発掘員の方々が一列に横並びになってショベル等で発掘作業を実施します。

当然、その間は造成工事がストップします。確か2週間ほどだったと思いますが、もうすぐ終わるだろうと安気に構えていましたが、調査員の方から何と、平安時代のキッチンと思われる物が出土したと知らされました。

調査員の方は何だか少し嬉しそうに見えましたが、こちらとしてはいつまで待てばよいのか、あとはいくらくらい費用が追加になるのかが心配で手放しでは喜べませんでした。

結局、調査費用や資料作成等の費用と合わせて150万円ほどの請求だったと記憶しています。重機を提供したりなどして、なるべく費用がかからないようにと思っていましたが、資料作成?〇百部も必要なのかなと思いながらも史跡保存協力ということでお支払いしました。

大昔から人々が暮らしやすい場所だったのでしょうということで、間もなく完売したのがせめてもの救いでしたね。