不動産の売却を依頼される方は、当然に高く売れることを希望します。依頼された不動産会社もなるべく高い価格で売却できた方が仲介手数料もその分高くなるので利害は一致します。

一方、不動産の購入を検討している方は、当然になるべく安く買えることを希望しますので、なかなかこのギャップが埋まらないのが現実です。

コインパーキングのイラスト

不動産は唯一無二の品物ですので、買主は1人(1社)だけとなります。逆に言うと1人いればよいということになりますが、1人しか検討者がいないと、当然価格競争は生まれずに買主寄りの売却価格で落ち着く可能性が高くなります。そこで売主側が欲を出してしまうと決まるものも決まらなくなるということになります。

ただし1人しかいなくても、特定のニーズであれば高値で売却できることも期待できます。例えば繁華街のほど近くの土地であれば、住宅用地としては敬遠されがちでも、コインパーキング等の駐車場用地として検討できる方に提案すれば、期待以上の高値で売却ができる可能性があります。

不動産会社は、依頼された物件がどのようなニーズに適しているのかを、実例や経験値から考えながら売却の検討をするものです。住宅用地として利用されていた土地でも、周辺環境の変化によっては、事業用地や店舗として検討できる可能性があれば、情報網や顧客リストを駆使して売却先を検討します。

昨今は、様々な方法での情報発信が可能になり、これまでには想像できなかったような立地や環境の中で事業や商売を営んでいるケースも散見されます。不動産会社においても、これまでの常識や経験にとらわれずに、不動産の有効活用について考えていかなければならないということになるのでしょう。